ビッグコミックスイッキ 富士山

さそうあきら

小学館（2002/02発売）

• サイズ A5判／ページ数 251p／高さ 22cm
• 商品コード 9784091793379
• NDC分類 726.1
• Cコード C0079

出版社内容情報

“富士”“ふじ”“不二”…それは二つとないこと。時として人の心を吹き抜ける、悲しいすきま風の向こう側を、さそうあきらが繊細に描く唯一無二の世界！

▼第1話／中央線▼第2話／樹海▼第3話／乱気流▼第4話／胎動（前編）▼第5話／胎動（後編）▼第6話／ 湧水▼第7話／洞穴●あらすじ／首都圏の通勤電車で繰り返される悲劇、ホームでの飛び込み事故。若い運転士は、ある駅でよく見かける女性の目を見て、いつか電車に飛び込んでくるのではと危惧していた。富士山がよく見える晴れわたった日、電車を運転する運転士の視界にあの女性の姿が映った。平静を失う運転士。そのとき何が起こったのか!?（第1話）●本巻の特徴／かつて霊峰と崇められ、今なお日本人にとってシンボルであり続ける富士山。その雄大で美しい姿は、すべてのものをあたたかく包みこみ、やさしく癒してくれる。だが、その神秘さゆえに、心にキズを負った人々をも惹きつけてしまう。人は、他人や自分を愛することに疲れたとき、“富士山”へと向かう…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Mercy]

『スピリッツ増刊IKKI』の第１号から第７号（2000年12月30日～02年１月１日）まで連載された７編が収められている。４・５の「胎動」を除いて、筋の連続性のない、連作短編集である。しかし、『マンガの教養』で中条が批評するように、全体を一つの主題が通貫している。それこそが、「死」であり、死生を象徴する「富士山」である。評者の「ひどく風通しのいいニヒリスト」という作家評に感謝したくなるくらい、深い短編群だとおもう。

2016/03/20

[baruto]

「生と死と人間」を俯瞰視点で描いた短篇集。

2013/05/01