内容説明
この時代、ぼくらに必要な脳と体の再トレーニング。文学と科学、ふたりのトップランナーがみずから野に出てゼロから感じ生きることの質を問い直す冒険的対談&エッセイ集。
目次
愛と暗愚
銀河の剣
言語DJ
死と縄文
未来巡礼
あらたな対話
著者等紹介
島田雅彦[シマダマサヒコ]
作家。法政大学教授。1961年東京生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。オペラや映画作りなどにもあまた携わる
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京工業大学大学院連携教授。1962年東京生れ。理学博士。クオリア(感覚の持つ質感)から脳と心の関係を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ありんこ
5
本能のおもむくまま、タタラ製鉄、焼畑、シャーマン、言語研究。同世代でこんな風に語り合える友人がいることが素晴らしい。知らない言葉や難しい言葉がたくさん出てきて刺激的だった。二人に追いつけるようにもっといろんな本を読んで知識を増やしたい。2011/03/03
いのふみ
2
CG映像の薄さ、パワーポイントのプレゼンの味気なさ、シンセサイザーの陰影のない音。手っ取り早く、わかりやすく、扱いやすいものが持て囃されるが、それらは退屈で、生身の人間の能力を退化させる。その傾向は、本書が出版された2009年からいまだ昂進しているように思う。芸術はその反省から出発する。そのスタンスに感銘した。茂木が島田をちょいちょいイジりたがるところや、それに切り返したり開き直ったり宥めすかしたりする島田の対応、読者をやや無視するように2人だけで高度で専門的な議論を楽しんでいる雰囲気なども面白い。2018/10/13
ビオラ
2
図書館本。クオリアという言葉に惹かれて借りた。一昼夜かけて一気に読了。あまりの難解さに投げ出しそうになった。本を読むという行為は、ひとつの楽譜を演奏し作曲家がイメイジした音楽を再現することに似ている。特にこの本の場合そう思う。島田氏と茂木氏の対話を追体験するには、知識と集中力が要求される。オペラ。タタラ製鉄。多言語DJ。焼き畑。韓国のシャーマン。それぞれの体験に触発されて二人の対話は高みに上り詰めていく。今の自分にどれ程二人の意図がくみとれたかわからない。が、繰り返したくなる愉しさがある。2014/07/06
イクル
2
すこし毒気のある茂木さんが気に入った。TVでも時にはこんな風に語って欲しい。2010/11/17
中納言
1
久しぶりに良く分からない本を読んだ。よくわからない理由は2つ。1つは、彼らの思考レベルに達していないから、つまり読者の知識不足。もうひとつは、彼らが彼らのレベルで話をしているから、一般読者のレベルに内容が合っていかない。凄く上の方で、自分たちと関係のない話をしているようなイメージ。読者も理解しようと努めるから、二人も読者に歩み寄ってほしい。色々残念な。2011/07/24