目次
酒
食
妻
多才
死生
闇
寓話
呪文
釣り
夏
女
玉
美食
独居
旅
謎
病
死
著者等紹介
菊谷匡祐[キクヤキョウスケ]
1935年神奈川県生まれ。文筆家。短編や雑誌のコラム、翻訳などを手掛ける
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
29
友人を通じて客観的に見た開高健像が意外なところもありなかなか興味を引いた。2023/04/29
さっと
7
編集者、翻訳家、作家と形容する肩書きがいろいろあるから文筆家とあるのはとてもしっくりくる著者の菊谷匡祐は小説家と「PLAYBOY」編集部をつないで『オーパ!』誕生のきっかけをつくった人でもあり、小説家と終生つきあいのあった業界人でもある。その関係性からか『オーパ!』(集英社文庫)の解説も担当していて、それがとてもわかりやすくてこちらも手に取ったしだい。「酒」「食」「闇」「釣り」「女」「玉」「旅」「病」など、それぞれキーワードにまつわるエピソードを披露し、小説家はいつも、いつまでも、そこに「いる」のだ。2018/12/19
あかふく
4
開高健の「いた」風景ではない。開高健は、ロマンティックな語りであるにしろ、まだそこにいるかのようだ。ふっと道を通ると、店に入ると、「ここに開高健がいる」と感じる。「匂い」があるのか。しかし何よりも本書が普通の評伝のように見えながら徐々に開高健周辺の謎を解いていってしまい、まだある確執や解決されなかった遺恨を暴き始めるとき、書物的な意味でも未だ開高健は「いる」のだと思わせられる。ある意味で、書物を書くだけではなく、観念的にも肉体的にも人間に食い込んでくる作家だったということだろうか。2013/11/21
夢の終わり
2
「オーパ!」から入ったので開高さんははじめ「楽しそうな関西のオッチャン」のイメージが強かったのですが、こうして近しかった人から見た回顧録だと、抱えていた影の部分も見えて興味深いです。開高氏だけでなく、奥さんも娘さんもこの本の筆者ももうお亡くなりになっている…少し無常を感じます。2013/10/22
nanasibunka
1
開高健のデビューから晩年まで親しい関係にあった著者が、作家の素顔や作品について語る。 「闇」3部作の中断、創作から逃げるようにして出版社の企画で世界をめぐるなど、作家としてのキャリアは後半、ややブレる印象がある。ベトナム従軍あたりが創作のピークだったのだろうか。 そんな混迷も含め、作家の豊穣な人柄を感じさせる。2023/09/01