雪炎

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  • サイズ B6判/ページ数 483p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087807462
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

3基の原発が立地し、原発マネーに依存する北海道・道南市。元公安警察官の和泉は、「廃炉」を訴えて立候補した旧友の市長選挙のスタッフになるが──。3・11前から原発を取材してきた著者の長編。

内容説明

三基の原発が立地する北海道・道南市。3・11から一年後の市長選挙に、原発の廃炉を公約に掲げる弁護士・小島が出馬した。何百億円もの原発利権に群がる者たちの策謀、暗闘に対し、選挙スタッフの和泉は、公安警察官時代の経験で対抗。しかし、そんな彼らに悲惨な事件が襲いかかった―。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yuna Ioki☆

63
931-134-13 原発利権絡みの選挙のお話でした。選挙戦真っ只中でたいへんタイムリーに(笑)長編好きで京極夏彦作品どんとこいな私ですが、もうちょっと端折ってもいいんじゃないかなあと思ってしまいました。友香と碧のエピソードや古沢親子エピソードは特に要らないよなあ。おまけに馬の長い名前連呼もいただけない。。。。2015/04/13

ナミのママ

53
原発を抱える市の市長選、利権に絡む建設会社、ヤクザ、警察。主人公の元公安・和泉は、いつもお金がなく、ひどい生活を送る中年男性。ぱっとしないはずなのに、ひねくれたその性格がなぜか魅力的……。馳さんの新作は、真っ黒な悪人はいなくて、ヒーローはガイウス・ユリウス・カエサルという馬でした。ストーリーは社会派小説と言っていいのかな、選挙に絡む人間関係が面白かったです。「原発がもたらす経済的恩恵を断ち切れない地元」というのはリアルでした。そして出てくる「食べ物」が質素なものから高級なものまで生々しかったです。2015/02/16

Ikutan

49
舞台は原発を抱える北海道の地方都市。脱原発を目指して市長選挙に立候補した友人弁護士を裏で支えることになった元公安の主人公。原発マネーに依存する地方の現状、原発を推し進める国政。選挙の裏で行き交う土建会社やヤクザの思惑。原発問題に警鐘を鳴らしつつ、ハードボイルドな主人公と彼の回りに起こる様々な事件を描いた長編。ヤクザながら父親の顔を持つ古沢がいい味を出していますね。堅苦しいテーマを軽くしてくれているのは、馬のガイウス・ユリウス・カエサルの存在かな。結構分厚かったけど、サクサクと一気読み。面白かった。2015/03/22

starbro

47
原発、選挙、地方(特に著者の出身地の北海道)、ワイロを馳星周が上手く料理して良質のノワールに仕上がっています。それにしてもガイウス・ユリウス・カエサルがこんなに大活躍するとは思いませんでした。馳星周は犬だけでなくサラブレッドも好きなのかなぁ!2015/01/30

123

43
大きな盛り上がりや、どんでん返しがある訳ではなく、物足りなさを感じつつも、作者の手腕が為すところなのか、約500頁の超大作ではあるが、サクサク行けた。主人公の和泉、小島、竹田、碧、同級生達の若かりしき時代の思い出や(碧が和泉に惚れた理由)、古沢が佐久間に拾われた過去、友香の母親を亡くした後の成長過程なんかをもうちょっと織り込んでもらうと、より深みのある作品になったのではないかと思う。それと真犯人の動機と、事件後の真犯人の立ち振舞いがいまいちピンとこなかったかな。最後にこんな選挙妨害って今でもあるの?2015/02/26

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