内容説明
花柄のワンピース、水玉のブラウス、テーラーメイドの背広、壊れたメガネ。写真家・石内都が被爆遺品を撮った。美しいから辛い、可憐だからむごい。風化しない広島。
著者等紹介
石内都[イシウチミヤコ]
1947年生まれ。木村伊兵衛写真賞、東川賞国内作家賞、日本写真協会賞作家賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
北杜夫そっくりおじさん・寺
69
読友しかちゃんのレビューにそそられ早速拝見。被爆者の遺品写真集。基本的に衣類が大半である。これもまたもの言わぬ生き証人である。子供のものなどを見るとやはり胸が痛い。何でこんな目に合わねばならぬのか?。熱かっただろうに。痛かっただろうに。苦しかっただろうに。表紙を見て頂ければわかるだろうが、モノクロでしか知らぬ戦前戦中に、カラフルな世界があった事が焼け焦げの向こうに見える。このカラフルが灼熱の光と炎と黒い雨にかき消されたのだ。好戦的な女性が防衛大臣になった今、私は静かに目を光らせようと思う。合掌。瞑目。2016/08/06
あじ
57
広島平和記念資料館には約1万9千点にも及ぶ、被爆した方々の遺品と品物が保管されている。その中から特に肌に近い部分で、身につけていた物を掲載。一枚一枚眺めていると、服や物に宿る残留思念が私に呼びかけてくる。どんな思いで身に付けていたのだろう。皆がモンペだった訳ではなく小花を散りばめた洋服も多い。娘の遺体は手元に戻らなかったが、着用していた服だけは橋にしがみつき母のお迎えを待っていた…それは手で持ち上げると、はらはらと灰になって消えてしまいそうだ。原爆に焼かれた品々は、持ち主に代わり恒久に原水爆禁止を訴える。2014/08/04
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
55
原爆犠牲者の遺品の写真集。この残された遺品を眺めているだけで、いろんな思いを感じ、胸がいっぱいになってしまう。この写真はいつまでも残っている、忘れてはいけない・・。2019/08/15
かおりんご
48
写真集。1945年8月6日、広島で被爆された人たちの遺品が写真におさめられている。ひとつひとつの写真には、詳しい説明はないけれど、あの時代を生きた人たちが、なんだか目の前に浮かび上がってくる。もんぺやセーラー服の下に、お気に入りの花柄のブラウスを着た少女がいたかもしれない。家の中では、自由におしゃれを楽しむ女性がいたかもしれない。戦争さえなければ・・・と、思ってしまう遺品の数々。必見です。2014/12/24
neimu
33
お話のピースウォークと一緒に読んで欲しい2008/06/17