出版社内容情報
原爆を落とされ、壊滅的な被害を受けた長崎でひとり暮らす母と、原爆で命を落とし、3年後に亡霊となって母の前に現れた息子の物語。山田洋次監督、吉永小百合・二宮和也主演映画の小説版。
内容説明
1948年、長崎で暮らす母のもとに、原爆で命を落とした息子が亡霊となって現れ…。山田洋次監督作品、感涙の小説版!
著者等紹介
山田洋次[ヤマダヨウジ]
1931年大阪府生まれ。映画監督。『男はつらいよ』シリーズをはじめ、『幸福の黄色いハンカチ』など数々のヒット作を産み出している。2012年文化勲章受章
井上麻矢[イノウエマヤ]
1967年東京都生まれ。劇団こまつ座代表。故・井上ひさし氏の三女(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
50
今から10万人もの人を殺戮する手順が冒頭のB29搭乗員の淡々とした動きで表現されています。母から子を奪い、家族から父や兄を奪い、婚約者から、大切な人を奪いました。「地震や津波は、運命かもしれないが、戦争は人間が起こしたことだから、人間が止めることのできるものじゃないか。」諦めきれない息子の死を諦めた時、目の前に息子の霊が現れます。生き残ったことで亡くなった人を引きずってはならない、これからの人生で幸せを見つけてと、母や婚約者を説得します。自分も祖父が亡くなった時、枕元に現れた祖父のことを覚えています。2016/02/12
鈴
43
【家族週間@月イチ】②さらっと読めてしまうが、やはり泣けてしまう。長崎におとされた原子爆弾で命を落とした息子が、遺した母の元へ幽霊としてあらわれる。こういうラストでしか母は幸せになれないのだろう。長崎の方言は、比較的リアルだった。2016/08/25
美月0217
35
長崎の原爆から3年後の話・・原爆の時に死んだ(はず)の息子が帰って?きた。母と息子が楽しく話す場面や息子の婚約者のことなど家の中でいろいろ会話していく姿・・そして最後まで読み終わった時には涙が流れてました。2016/01/24
刹那
29
この本は映画脚本「母と暮らせば」をもとに小説にしたらしいです。150ページ程のうすい本で、大きめの字なので、あっとゆう間に読めたけど、泣けました。2016/06/06
杏子
24
映画は見てなかったけど、図書館にあったので借りてみました。なるほどこういう話か。原爆で一瞬にして消えてしまった命。そのひとつが描かれていた。描写は淡々と事実のみ追うように書かれている。井上ひさしさんの戯曲『父と暮せば』が広島で、この『母と暮せば』が長崎なんですね。映画の脚本をもとに書かれた小説だったせいか?戯曲のような感じがした。こういう話をたくさん後生の人々に伝えていってほしい。2016/09/03