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クアトロ・ラガッツィ―天正少年使節と世界帝国

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  • サイズ A5判/ページ数 550p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784087753264
  • NDC分類 210.48
  • Cコード C0095

内容説明

「四人の少年の運命は日本の運命にほかならない」ローマ、ヴァティカン、ゴア、マカオに取材して八年。若桑みどりが世界史的視野から日本の歴史を問い直す!世界帝国の波涛が押し寄せる信長・秀吉の時代、鮮烈に生きた美しい若者達がいた。遙か世界へと船出した四少年の悲劇の向こうにあたらしい日本が見える。

目次

第1章 マカオから大きな船がやってくる
第2章 われわれは彼らの国に住んでいる
第3章 信長と世界帝国
第4章 遙かに海を行く四人の少年
第5章 ローマの栄光
第6章 運命の車輪
第7章 迫害
第8章 落日

著者等紹介

若桑みどり[ワカクワミドリ]
1935年、東京生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科卒業、1962‐64年、ローマ大学留学。川村学園女子大学人間文化学部教授、千葉大学名誉教授。80年サントリー学芸賞、84年芸術選奨文部大臣賞、96年イタリア共和国カヴァリエーレ章
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

33
大航海時代以降は一国の歴史が一国史という観点ではとらえられない。西洋の世界支配が決定的になった頃、英国教会の成立、新教勢力の版図拡大で、カトリック世界は脅威にさらされた。その打開策が、イエズス会の海外布教。伝道後数十年にして信者が30万人に達した日本での布教は世界宗教史の観点からも注目に値する。天正少年使節団は、この成功を象徴的に示す。軍事の天才信長が、国土防衛に自信をもっていたことと、イエズス会の神父が中南米での成功事例に拘らずに、日本を正確に分析し、布教方針を現地化したことが、成功への鍵となった。2014/07/14

よしみん

13
天正少年使節の栄光と悲劇。日本のキリスト教の興隆から衰亡。西洋から見た戦国時代。海外でのマーケティングの方法。多様な読み方ができる本。南米など植民地でなされた、言語や風習を変えさせる布教は通用しないと悟り、日本を分析し、日本に合った方法をとった宣教師がいたことは、日本のキリスト教布教にとり画期的だった。勝者を賛美する必要のない宣教師の資料からは、広い視野で世界を見ていた信長の凄さが分かる。ルネッサンス最盛期の西洋から少年たちが帰国した時、信長が生きていれば、日本の近代化はもう少し早く始まったかもしれない。2016/06/06

makio37

12
532頁の大作を読み終え、達成感に浸っている。<中世的封建制から近世的絶対王政へ><欧州内部で新教に押されたカトリックが世界布教へ>が当時の世界のトレンド。350頁以降、キリシタンを保護した信長が死に、希望を胸に旅立った4人の少年の運命と日本の歴史が転換点を迎えた辺りから、がぜん面白みが増した。教科書では数行で終わる記述の裏に、このように広く深い物語があったのか。世界史の中に日本史があり、"傑出した個人"と無名だが"自己の信念に生きた個人"たちにより歴史がつくられて来たことをあらためて感じた。2020/10/04

だろうぇい

11
西洋美術史家の描きだす「キリスト教の世紀」。膨大な第一次資料を各記述者の立場・性格なども踏まえ批判・検討し、克明に再構成した手腕に驚嘆。当時の女性がおかれた立場への共感、少年使節各個人への筆致の暖かさなども印象に残った。少年使節の運命を日本の運命に重ね、911後の異文化共存を歴史から学ぼうとする著者の姿勢は鋭く、力強い。日本の文化を公平かつ尊敬を抱いて観察し、日本に「東西を知る人間」を育てる学校を作ろうとしたイエズス会士ヴァリニャーノへの評価が、著者の得た答えの一端を示しているのだろう。2016/05/02

sasha

10
九州のキリシタン大名の名代としてローマに派遣された4人の少年を軸に、信長・秀吉といった時の権力者と宗教との関りをも描いた大作。歴史を描くのって本当に資料の格闘だと思う。著者が膨大な資料と格闘してくれるからこそ、読み手は好奇心を刺激される。天正少年使節も昔々に学校で習ったはずなのだがまったく記憶にないのはどういうことか。おかしいだろう、私の頭脳。実は日本史が苦手で無意識に避けて来たのだが、本書のように興味の範囲を広げてくれる作品があるともっと知りたいと思わせてくれる。2018/05/05

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