Shueisha nonfiction<br> 沈黙と爆発―ドキュメント「水俣病事件」1873~1995

Shueisha nonfiction
沈黙と爆発―ドキュメント「水俣病事件」1873~1995

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087751956
  • NDC分類 493.152
  • Cコード C0095

内容説明

九州熊本県の水俣という片田舎に、アジアとヨーロッパが隣りあわせ、中世と近代とが同居していた。その上に圧縮された戦後日本の駆足が重なった。その軋轢の狭間で、被害者たちは沈黙を強いられ、そして爆発した。本書は、その沈黙と爆発の物語である水俣病事件を通しての、日本の近代化と戦後日本史への招待である。

目次

第1章 水俣の近代化
第2章 敗北
第3章 俺の病気は何だ
第4章 自分たちでやろう
第5章 その後のこと

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

URYY

1
水俣病患者主体の裁判闘争の経緯を映し出すことで、チッソ、政府、そして何よりも世間の「醜さ」も浮かび上がってくるようだった。一気に読んだ。どうしても「東電」と「民主党政権」を思い出してしまうが、思い出しながら、不変の、いや、ともすれば、悪化しているといえる現在の「社会」に無力感が増してくる。が、裁判闘争は「補償」だけを目的にしたわけではない、と考えれば、この悪化を助長することは、あの裁判闘争した人びとを「亡き者」にするだけだ、という気持で、無力にならないようにがんばるしかない。2012/09/16

mk

1
水俣病は、戦前・戦後の日本の急発展と、それが作り出した影を、色濃く反映している。この本を読むと、日本の歴史と社会背景が、これでもか!と見えてくる。チッソという会社の成り立ちや発展、水俣市の地域発展を一手に引き受けていたこと、熊本県や国の各組織との相互依存、公害に対する都会の若者のまなざし。そしてその中に、麻痺した身体を抱え、市民からの差別や中傷を受け、チッソや行政の保身に右往左往させられながらも、粘り強く交渉を続ける人々がいたこと。忘れちゃいけない、身近な歴史。2012/01/06

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