内容説明
童元帥、武人の軍扇を高く掲げ、方聖王、度人の軍勢に石を捧ぐ。而して、待ち人戻り、復び靡く、替天の大旗。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津市生れ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
納間田 圭
139
替天行道の真新しい旗🏳が掲げられ、地鳴りのように声が上がった。ついに…我らが楊令が梁山泊の頭領になる章。宋…包囲網がようやく完成。北には…遼と金。南には…死ぬことを厭わない百万を超える信徒…宗教叛乱。殺されても殺されても「どじん、どじん」と合唱しながら歩き進む大群。殺し疲れ…やがて踏み潰されていく敵兵隊達…恐ろしさ100万倍‼︎。度人(どじん)とは…生きる苦しみから人を助ける行為を行う時に唱える言葉。そして満を持して…宋のボスキャラ童貫に勅令が下った。北は危険を孕んでいる。南は凄惨なものになるだろう。2022/09/11
榊原 香織
59
全15巻の3 北宋末期、北には金、南は宗教内乱 子午山の牧歌的な生活描写が好き。 中国人のある種憧れでもあるんじゃないかな? 田舎で丁寧な手作り生活してる人気ユーチューバーいるし2021/12/25
Y2K☮
42
白衣を纏いし虚無の教祖・方臘。教義としては菜食を唱え、己は生肉を食う。ひとりひとりの信徒を抱き締めつつ、彼らが十万や二十万死んでも戦に勝てば三倍になると断言。そこにあるのは強大な権力を倒したいという野心。他方、北で旗を掲げた黒衣の太陽・楊令。戦場では鬼と化すが塞に戻れば同志ひとりひとりの命を無駄にしない、共に戦ってくれと兵に語り掛ける。そこにあるのは苦しむ民を救い、腐敗を免れぬ国のあり方を変えんとする志。この世は辛いから虚無に身を委ねて楽になる? 或いは無意味な人生だからこそ意味を見出せる様に生きてみる?2017/09/28
calaf
14
梁山泊が敗れてから何年経ったのか...とうとう楊令が立った!微妙に不思議な人物に思っていたけど...そう思わせるのが著者の作戦だったのか???2017/01/12
さよちゃん
14
北では、女真族が建国した金と宋が同盟し遼に挑み、江南では宗教の教祖、方臘が帝を称して開戦。そして梁山泊と、なんと五つ巴の有様。呉用は身元を隠して方臘の軍師に。「度人」と呟きながら殺人を推奨する喫菜事魔という宗教、怖すぎます。ガクブル。ついに、楊令が梁山泊の頭領を宣言!みんな、うっとり。梁山泊は楊令ファンクラブ化(笑)。でも、楊志も宋江も魯智深も、草葉の陰で泣いて喜んでいることでしょう。楊令、髭、なくしてくれてよかったです。岳飛がまさかの禁軍入りですが、楊令と敵対ですか。てっきり仲間になると思ってました。2013/01/29