出版社内容情報
だれもがマザコンだ。切なさがにじむ作品集。
頼まれたコーヒー豆を忘れたおれに佐由理は言った「あなたマザコンよ」。それは違うだろう。いさかいの中ふと思った、おれは母を知らなかった、と――淡くもあり、濃密でもある人とのかかわりを描く。
内容説明
母と娘、母と息子、父と娘、夫と妻、恋人同士、それぞれの関係の微妙な変化―淡くもあり、濃密でもある人とのかかわりを描き、おかしみのなかに切なさがにじむ作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
刹那
41
どんな気持ち悪い人が出てくるんだろうって思って読み始めてすみません(笑)いろんな親子の短編集でした。色んな母がいて、色んな息子娘がいる。それがお互いなんらかの影響を受けて時間は進んでいく。私とお母さんの関係ってどんなんだろ?義母さんとの関係は?生死でも違ってくるんだろうな。まだまだ元気で追ってもらわな困るけど!2015/06/23
雪
34
母と子がテーマの短編集。子どもの頃は完璧な大人だと思っていた母は、決して完璧ではない、一人の生身の人間だということに、自分が大人になってから気付く。どの話も結末がはっきり書かれておらず消化不良な感じは残るが、親子だからこそ、スパッと割り切れないもどかしさが伝わる。2019/03/11
あつひめ
32
タイトルから母親に甘える男に関わる物語かと思っていたら、全く違って驚きとともにやっぱり角田さん只者ではないなぁと思った。母親が嫌いだと意識すればするほど母親を思ってしまう。腹立たしいほどに。アーなりたくないって思っても他人から見たら母親そっくりになっていたり。人って面白いもので切羽詰ると心の中で「おかぁさ~ん」と叫んでしまう。なぜなんだろうなぁ。私も娘であり母である。甘えることはないけどやはり、善しにつけ悪しきにつけ意識してしまう。人としての永遠のライバルみたいなものであるのか。初恋ツアーが印象的。2011/08/14
これでいいのだ@ヘタレ女王
27
主に母と娘の関係を描いた短編集。私自身が、かつて、と言うか、今も年老いた母の娘をやりつつ巣立った子を持つ母をやっている。こういう発言や態度はするまい、、と、日々自分を 抑制して母親業をしているつもりが作品ではストレートに出てしまった痛い母親を描いている。 また娘として母を鬱陶しく思い、それを自責する自分が 描かれていたり、、きっと、自分がその年齢や立場を 経験しないと共感したり、ヒリヒリとした痛みを感じない つまらない読み物となるだろう。同世代、経験者には思い当たり苦笑する部分ありだと思う。2014/09/07
Syo
25
なるほどなぁ2022/03/21