内容説明
あの日、空の底が抜けた。食道ガンに冒された最愛のひと。あなたの命が先なのか、私の気力が続くのか。“出口”をもとめ爆走する、妄想と情熱の闘病記。芥川賞作家による、最新長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようかい2
2
蟹?と思って手に取った本。食道がんに冒されたパタさんと彼女ドブちゃんの話。途中記録的な進み方で読んでいてしんどくなる。そして考える。私には耐えられるのだろうか。耐えるというより、一緒に過ごす、戦うことができるのだろうか、と。2011/10/30
ちえ
1
NHKハートネットに作者が出ていて、彼の闘病と両親の介護の話をしていた。その後、図書館の閉架から出してもらった。読み進めるうちに想像を絶する状況に、自分が癌になるよりも辛いのではと思わされた。どんなことをしても生きていて欲しかった、時計の針を戻して生き返って欲しい、という思いがびしびしと伝わってきて辛かった。彼女のようには出来ないだろう。荻野さんを尊敬します。2017/08/10
ユキハナ
1
食道がん。闘病の記録を重くなりすぎずに描けているけれどそれでも切ない気持ちになります。2015/03/04
せぶん
0
★★★☆☆2010/01/01
fiddler05
0
10年以上も前の本、食道がんにおかされたパートナーによりそう私の苦悩と闘病の回顧が幻想的な語りで綴られる。悲惨な現実をまるで夢の中の世界と思わせる筆者の文体がすばらしい。最後に墓参するシーンに登場する蟹曲はどうやら架空の地名と思います。2020/05/24