ジャージの二人

ジャージの二人

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087746778
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

標高1100メートルの山荘にて、父と息子のアンチ・スローライフな日々が始まる。「猛スピードで母は」で芥川賞を受賞した著者が、「低スピード」な父との関係をジャジーに描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

53
面白かったです。まったりとしたゆるさが何とも言えません。夏の数日間、父と過ごすことになった「僕」。親子そろって結婚と仕事に問題があるのにこんなにほんわかしていいのかと思いました。でもジャージを着てだらだら過ごすのは心地良いのですよね。2020/07/13

いちろく

52
紹介していただいた本。親子の淡々とした日常を描いた作品。けれどそれは嵐の前の静けさのような印象であり、大きな決断をする前の穏やかな日々。長嶋有さんらしい無機質的な情景描写の数々が、何気ない日常をより一層何気なくしている。だからこそ、この後に続くであろう決断の大きさを際立たせる。私達の日常でも、幸も不幸も突然やってくる時は確かにある。その時に、誰だって決断しなければならない時はある。2017/08/06

☆よいこ

49
さえない父子の別荘でのひとときを描く。三度結婚し、三度目の結婚もうまくいっていなさそうな父親。妻に浮気され離婚目前なのに、妻に嫌われるのが怖くて弱気な息子。ジャージ姿でだらだらと過ごす別荘生活は脱力系。特に大きな事件などはない。▽文庫が出たらしく新聞の書評欄で紹介されていたので読んでみたくなった。独特の雰囲気は悪くないものちょっと退屈だった。ビデオテープとか携帯電話のアンテナが立つとか立たないとか、小道具に古さを感じる。2003年発行だからしかたないか。表紙は大島弓子。2018/08/28

spica☆

24
映画も気になっていたんですが、なんとなく見そびれていたので、原作のほうを読んでみました。このゆるーい空気感が脱力系でいいですね。別荘でジャージで、あまり深いことは考えずにゆったり過ごす。理想ですよね。でもかび臭い湿った布団や、虫さんこんにちは!はちょっと嫌かもw現実的には金銭的にも時間的にも難しいのはわかっていますが、こんな贅沢な時間、ちょっと憧れますね。なんとなく前向きになるようなラストも素敵でした。2015/06/06

nyanco

22
父と二人山荘でのたる~い感じが面白い。これを映像化するとどうなんるんだろう??『家の中にふられた人間が二人いるというのは、なんというかとても辛気臭い』不倫した妻と別れきれずにいる夫、恋に破れたと不倫相手に捨てられて夫相手にさめざめと泣く妻。そんな存在が私には信じられないのですが、長嶋さんが描くと、何となくありかな~と思えてしまう。妻との微妙な関係の描き方が長嶋さんらしかった。最後のメールのシーン。彼は答えを先送りにしたけれど、奥さんは待っていてくれるのかな…。2009/08/10

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