内容説明
時は十二世紀末。鎌倉に通じる藤原泰衡に追われた九郎坊は、大和坊と共に、奥州の山中をいき、粗末な荒家に一夜の宿を乞う。甲斐甲斐しく世話をしてくれるその家の女主・黒蜜に九郎坊は、魂を揺さぶられるように魅かれる。しかし主は永遠の命を生きる女だった。追っ手に襲われ、傷を負った九郎坊は、突然大和坊の剣に首を刎ねられる…そして、はるか時代は過ぎ、日本では想像を絶する苛酷な闘いが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋製
39
ある読友さんに「吸血鬼物」をリクエストしたら、これを薦めてくれました。舞台は未来の日本。 よくある吸血鬼物とは少し違った感じを受けました。 回想中に「あれ?」って思ってしまった人物?や、主人公はある有名な人だったりします。スプラッタや戦闘シーンは余り怖く描写されてはいないと思います。彼らより、欲に囚われた人たちの方がよほど怖い!と思わされた場面がありました。 2013/02/12
yoshi
10
源義経と弁慶が美しい女性の吸血鬼に出会うことから始まる本作、夢枕獏さんらしい怪しい雰囲気とSFとが融合し、更にテンポの良いアクションシーンも加わる展開は流石。ただ、謎としている部分が早くから予想できてしまい、主人公が自問自答する部分はちょっと冗長な気も。この過程は短めで、その後どうなったか描いてほしかったな。それにしても改めて見ると表紙怖いですね...2020/12/05
Hugo Grove
9
大作、怪作である。そしてこれは悲恋の物語である。読めば表紙の血の涙の意味が分かるはずだ。ぜひぜひ皆さんにもお勧めしたい。2013/02/23
あここ
6
義経・弁慶の時代物かと思ったら早々に1000年経ってまうし元は異国の話になるし。さすがにスケール大きいです。黒蜜と出会ったり逸れたり。クロウが記憶をなくしてまうのでなかなか繋がらない。何が起こったか一緒に探す旅をする。途中で赤帝・白王とかごちゃごちゃ出てきて分かりづらくなった、誰が何だか。クロウと黒蜜の恋愛ってゆうより弁慶さんの一途さに揺れた。1000年も想い続けていられて幸せでしたって言える弁慶さんに惚れた。幸せなのは誰だか分からない。みんな苦しそうだ。不死身になりたいか?まだまだ逃避行は続いてるんかな2015/06/20
魚京童!
6
http://kuzirappa.blog.fc2.com/blog-entry-1258.html2013/12/04