郊外少年マリク

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087734812
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

シャイで意地っぱりな少年の煌めく日々
パリ郊外の団地に住む移民の少年マリク。家は貧しく、学校にはいじめっ子が。大きくなるにつれて、現実はますます厳しくなるが、希望は失わない。友情や母親への思いやりを軽やかに描く。

内容説明

パリ郊外の団地に住むマリクはアルジェリア系の移民。貧困、偏見、格差…。現実は厳しいけれど、個性豊かな大人たち、かけがえのない仲間たちに囲まれて、日々まっすぐに生きている。困難を笑いとばすウィット、あふれるエネルギーに満ちた少年の成長物語。

著者等紹介

ラシュディ,マブルーク[ラシュディ,マブルーク][Rachedi,Mabrouck]
1976年、パリ郊外にアルジェリア系移民2世として生まれる。経済アナリストとシて数年間働いた経験を持つ。2006年に長編『Le poids d’une ^ame』でデビュー

中島さおり[ナカジマサオリ]
パリ第三大学比較文学科博士準備課程修了。翻訳家、エッセスト。著書に『パリの女は産んでいる“恋愛大国フランス”に子供が増えた理由』(ポプラ社、第54回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

106
「BOOKMARK」のオススメには素敵な出会いが潜んでる。これもそんな一冊。原題は「Le Petit Malik」それは「Le Petit Nicolas(プチニコラ)」、そして「Le Petit Prince(星の王子さま)」 を思わせるタイトル。でも、前の2冊と違ってとても育ちの悪いガキ。パリの郊外で、母と住み、父親を知らず、盗みやケンカが普通の毎日。それでも楽しい毎日も、大きくなるにつれ、本当の犯罪もスレスレになってくる。呆れ、ジーンときて、泣き笑いになる。すごく良かった。悪ガキ、更生しろよ!2021/01/24

seacalf

44
『翻訳者による海外文学ブックガイドBOOKMARK』より。主人公マリクときたら、あのいたずらっ子トム・ソーヤですら品行方正な「いい子ちゃん」に思えるほどの悪童っぷりを見せてくれる。語りが軽妙なので胸がすく読書。純粋な5歳児から様々な段階を踏まえた思春期、そしてもう大人へと片足踏み込んだ26歳までを描いているので時にチクンと悲しみが刺さるが、知られざるパリ郊外の一面をユニークを交えて読ませてくれる。巻末に訳者の妹(!)中島京子さんが作品の面白さを十二分に解説しているので、気になった方はそちらを一読してぜひ。2019/12/13

ハルト

7
フランスの「郊外」に暮らす移民の少年。差別貧困のはびこるいわゆるスラム的な場所で生きる彼の幼少期五歳から少年期を過ぎ青年期へと至る二十六歳までが描かれる。閉塞的な環境下での少年の成長譚。かつて友といたこと、やった馬鹿馬鹿しいこと。悪ガキだった彼らのなつかしい日々の思い出。未来がすべてに通じていると信じて疑わなかった頃からは遠く隔たってしまった、それらも含めて躍動感があり今の現実を写しだしているように思いました。解説・中島京子。2012/12/15

Shimejismile

5
フランスの小説だけど、トランプ大統領を産み出した背景は世界的傾向なんだなと腑に落ちる本だった。富で、人種で、学歴で、支配者と被支配者とで世界は分断され、間には憎悪と諦めが横たわる。日本も同じくでまったく他人事じゃない。どうしようかねマジで。あ、本自体はハードな内容をユーモアで包んで実にすばらしかったです。2016/10/14

がぁ

5
さら~っと読めてしまうのですが、テーマは重い。かなりの力量の作家さんだと感じました。翻訳も読みやすい。移民を受け入れて、過酷な差別を課す国と、移民を基本的には受け入れない国で隠れた差別のある国と、どちらがよりマシかなどとも考えてしまいます。2013/02/01

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