蠕動で渉れ、汚泥の川を

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蠕動で渉れ、汚泥の川を

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087716665
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

湊かなえ氏激賞!!
<「17歳の失敗は、人生の失敗じゃないのだ」と貫多は私に教えてくれた>
──湊かなえ

貫多、セヴンティーン!
人生はまだ、始まったばかり。
初めての洋食屋でのアルバイトと、波瀾万丈の日々。
家を追われ、猛女に怒鳴られ、途方に暮れる。
待望の最新長篇<私小説>!

「確かに自分は<青春の落伍者>にはなりつつあるが、
しかしながら、まだ<人生の落伍者>には至っていないのだ」

白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。
日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も……。労働、肉欲、そして文学への思い。善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため"の行状記!




西村 賢太[ニシムラケンタ]

内容説明

白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も…。労働、肉欲、そして文学への思い。善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため”の行状記!

著者等紹介

西村賢太[ニシムラケンタ]
1967(昭和42)年7月、東京都江戸川区生れ。中卒。2004(平成16)年に同人雑誌発表の「けがれなき酒のへど」が、『文學界』に転載されてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スパシーバ@日日是決戦

103
B (2016年) 17歳にして早くも日払いシステムにすっぽりと嵌まり込んでしまい、その日に稼いだ銭をその夜のうちに費消してしまう自堕落な生活、さらに三箇所の宿で家賃滞納で強制退去させられた主人公に転機が訪れた! 洋食レストラン(制服貸与、食事付き、週払い可)の面接に向かい無事採用となるも..。その後彼が歩む人生を知っているだけに、後はいつどのタイミングでキレるのか?を待つだけの身(笑)。ハラハラドキドキドキしながら読み進め、ついに来たお約束の捨てゼリフの羅列に思わず苦笑(彼の言い分もわかるよ)。2016/12/26

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

101
西村賢太の長編2作目。1作目の『やまいだれの歌』は恥辱に会った北町貫多が文学で救われる姿が何とも言えず良かったが、2作目の貫多は同情の余地無し(笑)。貫多は初めての飲食店でのアルバイトを開始。それの顛末記である。相変わらず周囲の人間に全く愛情が感じられない描写が続く。感謝もまるで無い。これが貫多物の魅力ではあるが、今回はちょっと酷いなぁと思う場面もしばしばである。そんな悪辣さがあるのに、ついつい共感させられもする。北町貫多は私なのだ。彼の駄目さは私の駄目さであり、彼の悪さは私の悪さである。陰部は清潔に。2016/08/18

そうたそ

56
★★★★☆ 今回の作品は、貫多が十七歳であった一般に言うなら青春真っ盛りの時期が描かれる。当然そんな青春に溢れた内容になるはずもなく、当初こそ慣れない洋食屋のバイトに奮闘するエピソードが描かれるのだが、やっぱりクズっぷりは十七歳でも健在で、働き始めた当初抱いていた数々の理想が崩れていく後半に差し掛かり、怒涛のように描きこまれるクズ的行動の数々は圧巻である。全く共感の余地のない一方的なまでの罵詈雑言の数々は小説という形式にあっては弩級のエンタメにといっても過言ではない。何度読んでも飽きないわけだ。2016/08/12

抹茶モナカ

51
北町貫多の西洋料理屋での住み込み生活。私小説は、定型の文章のような、型が決まった流れになるのが、安心感を呼ぶ。文体のみならず、意識の流れの定型。貫多の青春に、自分も救われるような形で、読み終えた。貫多の人を見下すところとか、自分で意識していないだけで、僕にもそんな所があるかもしれない。2017/04/13

おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ

49
素晴らしい。素晴らしくイライラさせられる。怠惰な動機による姑息で安直なふるまいと、あくまで身勝手な自己肯定と言い訳の嵐に、読んでいるこちら側がどんどん痛くなる。これこそが私小説の真骨頂、なのだが、エンディングで貫太の下賤さが見事に露呈しそれまで積み上げた微々たる充足がぶち壊しになる毎度毎度の展開は、もはや逆水戸黄門ともいえるれっきとしたエンターテイメントである。書くたびに文学性は失われ、貫太の思考回路と行状には侮蔑しか感じないはずなのに、どこかに自分と類似する愚かさが垣間見えて、情けなくさせられ腹も立つ。2017/09/12

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