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八月の青い蝶

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087715477
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

白血病で療養する父の持物の中にみつけた、小さな青い蝶がとめられた標本箱。それは昭和20年8月に突然断ち切られた、淡く切ない恋物語を記憶する品だった。圧倒的な筆力が賞賛された感動のデビュー作。第26回小説すばる新人賞受賞作

内容説明

急性骨髄性白血病で自宅療養することになった亮輔は、中学生のときに被爆していた。大日本帝国陸軍偵察機パイロットのひとり息子であった彼は、当時、広島市内に住んでいたのだ。妻と娘は、亮輔が大事にしている仏壇で、異様に古びた標本箱を発見する。そこには、前翅の一部が欠けた小さな青い蝶がピンでとめられていた。妻も娘も知らなかったが、それは昭和20年8月に突然断ち切られた、切なくも美しい恋物語を記憶する大切な品だった―。第26回小説すばる新人賞受賞作。

著者等紹介

周防柳[スオウヤナギ]
1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、編集者・ライターに。「八月の青い蝶」(「翅と虫ピン」改題)で第26回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

200
集英社さん『ナツイチ』企画からの作品で、初読み作家さんでした。う~ん、ちょっと期待値が大きすぎたかなぁ。いい作品なのは間違いないと思うのですが、自分が読んだタイミングが良くなかったのか、どうもリズムに乗れず、グっと胸にこないままの流れで読了してしまいました。時は終戦直前、原爆投下前の広島を舞台に描かれる淡い恋物語なのですが、恋愛の描写と原爆投下直後の描写のアンバランス具合が極端過ぎて、まるっきり別の作品を読んでいるかのような錯覚に。淡く切ない恋愛模様をもっと前面に出してくれてもよかったのかしれませんね。2016/07/10

さつき

77
急性骨髄性白血病で末期を迎えようとしている亮輔。高度経済成長に乗ってがむしゃらに働き、穏やかな晩年を過ごしていた彼の少年時代の淡い初恋と原爆による衝撃的な体験。戦後、抜け殻のようになった軍人の父。悲しいとか辛いとか単純な言葉では言い尽くせない複雑な思いに飲み込まれ涙が止まらなかった。2022/12/26

ゆみねこ

72
周防さん、初読み。2010年8月、白血病で余命宣告をされた父の持ち物の小さな青い蝶の標本。時を遡り1945年8月の父の切ない思い出。交互に綴られる文章の美しさに圧倒されました。この本は多くの人に読んで欲しいと思います。中学生以上なら読破出来ると思いますね。お勧め本。2015/04/26

60
陸軍偵察機パイロットの父、軍人の祖父を持つ家系の亮輔は広島で被爆。戦後世間が軍人叩きをする中気持ちと行動の矛盾を感じながら、過去があっての今と歴史を前向きに納得させ生きる。原爆を語り継ぐ形だけの平和教育に怒り、戦争をあやまちと断定する娘の担任教師との対立(このシーンは酷い)、きえさんの未来を奪ってしまった哀しみ等色んな思いを抱えていた。共感出来る気持ちとやや出来ない気持ち両方混じります。私は今の価値観をして、当時の戦争が何たるかなんて言いません言えません。犠牲になった方に恥じぬ生き方をしたいと思います。2014/02/16

それいゆ

50
最初のタイトルが「翅と虫ピン」では読み方も分からないし、誰も読もうとする意欲なんか湧かないでしょう。「八月の青い蝶」と改題したとたん、原爆投下の広島のイメージが浮かんできて、この物語が高尚なものになったような気がします。「小説すばる新人賞」がどれだけ権威のあるものかは知りませんが、私には淡い初恋の部分だけが一風変わっていて斬新でした。もちろん広島の原爆が核心部分なんですが、深く意識しながら読むまでには至りませんでした。どちらかというと軍人の父親の話や戦争の部分は、付け足しみたいで退屈でした。2014/04/04

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