出版社内容情報
映画はときどき、来るべき人生の予行演習だ
『傷だらけのアイドル』『早春』『マンディンゴ』『裸のジャングル』『わが青春のマリアンヌ』『かもめの城』『眼には眼を』など全25本。貴方の記憶の奥に沈む、忘れたいのに、忘れられない映画がある。
内容説明
呪われた映画、闇に葬られた映画、一線を越えてしまった映画、心に爪あとを残す映画、25本。
目次
「消えた旅行者」は存在したのか?『バニー・レークは行方不明』
孤高の鬼才が描く、アイドルの政治利用『傷だらけのアイドル』
人間狩りの果てに言葉を超えた絆を『裸のジャングル』
『エクソシスト』の原点、ルーダンの悪魔祓い『肉体の悪魔』『尼僧ヨアンナ』
世界の終わりと檻の中の母親『不意打ち』
ハリウッド伝説の大女優、児童虐ショー『愛と憎しみの伝説』
少年Aが知らずになぞった八歳のサイコハス『悪い種子』
あなたはすでに死んでいる『恐怖の足跡』
奴らは必ずやって来る『コンバット恐怖の人間狩り』
初体験は水のないプールで『早春』〔ほか〕
著者等紹介
町山智浩[マチヤマトモヒロ]
1962年、東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。映画評論家。「宝島」「別冊宝島」などの編集を経て、1995年に雑誌「映画秘宝」(洋泉社)創刊。その後アメリカに移住。現在、カリフォルニア州バークレーに在住。2009年より、TOKYO MXテレビ「松嶋×町山未公開映画を観るTV」司会解説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
91
町山氏の映画評論を読むと本当にその映画を観ているようだ。私にも思い出せもしないトラウマ映画があるが「作品の裏側にある社会的背景、政治的文脈、監督、俳優、原作者の人生があり、その映画が何も知らないこちらの個人的な体験として突き刺さり、人格を形成していくのだから、芸術とは因果なものだ」とあるように、心に突き刺さり痛みが残る。「その痛みは来るべき人生の予行演習だった」とあるようにエンターテイメントとしての映画とかけ離れた観ても楽しくないようなトラウマになるようなメッセージ性のこもった作品ばかり紹介されている。2013/02/01
♪mi★ki♪
28
大体、この半年近く殆ど本を読まなかったのは、町山さんの映画評をYouTubeで片っ端から見て、紹介されてた映画を片っ端から観るってなことを続けてきたせいなわけで。町山さんの映画解説は本当に面白い。この本も紹介されている映画は全部観たくなるほど。取り敢えず観たことあったのは一作だけだったので、未だ未だ楽しみが残っているわ♪2017/11/27
うめうめ
18
映画関係の書籍を結構読みますが、断トツの面白さです。「映画の見方が分かる本」など町山さんの映画関係の書籍は本当に素晴らしい!決して有名ではない映画を著者の幼年期や私生活に絡ませ愛情たっぷりに描写する。1つの作品の紹介にどれだけの時間をかけて書いてあるんだろうと思うぐらい充実の内容。町山さんの記憶力のスゴさにもびっくりですよ!ゆっくり味わって読ませていただきました。25本の映画全てを見てみたいな。WOWOWでで放送された4作品録画しておいて本当に良かった!未だ見てないですが(笑)全映画ファン必読!★★★★★2012/01/03
白黒豆黄昏ぞんび
17
読み終わるのがもったいないくらい面白かったです。やはりなにかに衝き動かされる人はそれなりのものを抱えているんだね。それにしても全部観たくなる!2011/11/19
HANA
15
B級映画の紹介かなと読む前は思っていたものの、意外と重い映画ばかりで驚く。著者のトラウマとダイレクトに繋がる映画が多いので、紹介されているのを見たくなるかは個人次第かなと。いくつか気になる映画もあったものの、現代の日本だとまず見られないだろうなあ、この映画群。2011/04/11