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終わらざる夏〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 458p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087713473
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

戦争という悲劇を描く壮大な人間ドラマ。
中立条約を破棄して、ソ連が宣戦を布告した。昭和20年8月18日。北の孤島・占守島で実際に始まった日本とソ連の戦い。様々な人間達が巻き込まれていくさまを描く、着想から30年の戦争群像劇。

内容説明

できることはもう何もない。戦場を走るほかには。たとえそこが、まやかしの戦場でも。美しい島で、あの夏、何が起きたのか―。何を信じ、何を守る―。人間の本質に迫る戦争巨編、堂々完結。

著者等紹介

浅田次郎[アサダジロウ]
1951年、東京都出身。1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

192
戦争をテーマとする作品として好みが別れる作品だと思う。良い点としては戦争の虚しさが伝わること。あまり知られていない占守島の戦いが世に知られること。ソ連の明確な国際法違反を明記していること等。私が疑問に思ったのは、ファンタジーかつ非現実的な場面が多く登場すること。上巻でもあったソ連兵と日本の疎開児童の夢での交流。栄養の欠乏する疎開児童が数日、東京を目指し歩く。挺身隊の女性がソ連に理を問いたいと叫ぶ場面。敗戦の日を永久平和を誓う佳日とする手紙等。出典も記載ない。浅田次郎さんの見解が前に出すぎていると思うのだ。2018/01/13

zero1

137
千島列島にいた精鋭部隊。しかし船はなく移動できない。缶詰工場の女子挺身隊員もいた。参謀の吉江に級長キクが問う場面はいかにも浅田。敗戦必至で原爆投下にソ連参戦。打つ手はあるのか?そして3人の到着と戦闘。後半は「不毛地帯」同様、飢えと寒さと過酷な労働のシベリア抑留。戦争の被害者は軍人だけではない。疎開の人たちもいた。千島での戦闘により守られた人たち。しかし戦後も領土問題は残った。日本とソ連の兵士たちは何のために戦ったのか?戦争がある限り不条理な犠牲は避けられない。そのことだけは忘れてはならない。2019/10/02

HIRO1970

108
⭐️⭐️⭐️史実に近づけようとした為でしょうか?それとも次の仕事が詰まっていたのか?ずうっと良い流れで来ていたのですが、最後の100ページ程が何となく慌ただしい感じで、珍しく焦点が散漫な感じがしました。いろいろ盛り込もうとしてブレたのかも知れません。ん〜惜しい感じです。浅田さんでもこんな事があるのを30数冊目で初めて知りました。2015/04/30

RIN

73
想像していた浅田節ではなかった。まるで高みから戦時下の人間達の心の裡を覗いて回る神の視線みたいな構成、とでもいうのか、素晴らしい。8月15日を過ぎてここまで運命が分かれるなんて、いくらそれが戦争というものとはいえ切なすぎる。それにしても、どうしてこんなに旧ソ連の不可侵条約破棄とその後の占守島侵攻についてメディアでも言及されることが少ないのだろう?ソ連兵の「この日本人たちは自国の領土を守ろうと戦っている。ここは紛れもなく日本の領土」という言葉に胸を締め付けられる思い。関連本を少し探してみようと思った次第。2012/04/22

レアル

73
戦争は8月15日に終わっても、その終わろうとしているその時から「始まった」北方領土問題。まさに「終わらざる夏」。

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