集英社文庫<br> 不忠臣蔵

集英社文庫
不忠臣蔵

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  • サイズ 文庫判/ページ数 439p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784087493948
  • NDC分類 913.6

内容説明

時は元禄15年12月15日払暁、華々しき赤穂浪士の討入り。しかし行けなかった人行かなかった人にも意外なドラマが、そして深いロマンが…。厳密な歴史考証の上に特異な想像力と豊かなユーモアをまじえ、日本と日本人を考え直す著者の代表作。忠臣蔵の先入観を塗りかえる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

66
12月14日は赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日。ほんとうは旧暦なので、新暦の今日とは違うのだが。播州赤穂市の「義士祭」も今日行われたらしい。さて本編は、その表題にあるごとく、討ち入りに参加しなかった、もしくはできなかった赤穂浪士19人の物語である。『忠臣蔵』は、これまでに数々書かれてきたが、こうした観点のものはなかっただろう。井上ひさしの想像力の豊かさに、まずは脱帽。なるほど、そういうこともあったかもと思わせる。また、語りも絶妙だ。多くはモノローグ芝居のようなドラマトゥルギーを見せ、また時には江戸落語の趣も。2012/12/14

jima

21
再読。1988年の文庫本。活字が小さい。19話から成る。討ち入りに参加しなかった武士たちの話。解説で井上さんが「赤穂藩には当時、三百余人の家臣がいたんですが、討ち入りに参加するのは全体の、わずか6分の1弱。参加しない方が圧倒的に多数なわけです。それなら、参加しなかった人たちを徹底的に描いた方が、『日本人』と言うものははっきり出るんじゃないか」久しぶりに読み直してみて、一色になってしまうことの怖さ、そんなものを感じた。2016/11/13

mtngsng

9
小学校ぐらいに読んだような、ほぼ初の井上ひさし。昨年は正統派な忠臣蔵を読んだつもりなので今年はちょっと変わったところと選んだ本。読むのに時間がかかったけどこれは面白い。討ち入りしなかった人も、討ち入りできなかった人もさまざまな人生がある。華やかな散り方もかっこいいけど、最後に勝つのは意思をもって生きた人なのかなとも思う。年表もおもしろかった。2012/01/21

yokmin

8
討ち入り不参加19人の播州赤穂浪士の物語 19話。それぞれの不忠不義の理由が最高におもしろい。今年に入ってから読んだ本の中で最高作。浅野内匠頭、大石内蔵助が後先のことを考えない身勝手な人物に思えるほど。19話の代わりに12話-13話に圧縮すればもっとすばらしい作品になりそうな気もする。切腹直前の義士 間十次郎の「上下の肩がぴくぴくと動いて・・吹き出すのを必死にこらえて」いたという「浜奉行代行 渡辺半右衛門」の話が一番好きだ。2014/11/02

gachi_folk

6
討入りに参加しなかった赤穂藩士たち。武士が世間から白い目で見られる屈辱は何よりも耐え難い。それでも参加しなかった藩士たち。この視点は面白い。登場する19人がそれぞれに抱えた理由は全て美談ではないが、井上ひさしの美しすぎる文章により、最高のエンターテイメントに仕上がっている。さすがだ。2013/06/08

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