内容説明
かの『ドバラダ門』から3年余…。西郷隆盛の肖像画をめぐって、新しい展開が…。作者未詳の西郷像と、著者の曾祖父・山下房親とが、深く係わっていることが判明。たちまち天才ピアニスト洋輔は演奏活動の合間をぬって、東奔西走。肖像画の謎を追跡!ついに百年前に生きていた、先祖の目と脳と体を通して、実在の西郷が蘇ったのだ。華麗なる先祖の活躍を背景に描く痛快エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
7
自身のルーツを辿る『ドバラダ門』の番外編的エッセイ。西郷隆盛との交流から、明治の大警視川路利良のもとで幹部となったのがヨースケさんの曽祖父山下龍衛右門房親。そのあたりの話は20年前に読んだときはぴんと来なかったのですが、その後山風先生の明治物、とくに『警視庁草紙』を読んだ今回の再読の方が数倍楽しめました。といっても相変わらず話題はあっちこっち飛んで、これが面白い。皇居に乱入したり、シンシン刑務所 でセッションしたり……なかでも第2章でのギタリスト、マボチンのラリパッパぶりは抱腹絶倒でした。2019/12/05
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
7
かつて『ドバラダ門』という凄い本があった。ジャズピアニスト山下洋輔による自身のルーツ探しと旅行記と幕末小説がミックスされた奇書(オススメ)。それの落ち穂拾いがこの本。筒井康隆はじめ、多くの文筆家に絶賛された文章はやはり上手い。しかしドバラダ門を読んでないと今ひとつ楽しめない本。2012/05/18
待つ子
2
あー面白い。すごい一族だなぁ。歴史と先祖を調べること、について、いい意味でいろいろと考えてしまう本。2009/06/20