内容説明
「なぜ私は本を読むのがやめられないのか…」一九六〇年代から七〇年代にかけて、明日というものがまだ信じられていた高度成長期のこの国で読まれ、観られた様々な「物語」たち。それらをめぐる青春の記憶を、著者は時に苦しく、時に切なく鮮やかに描き出す。どんな本やどんな物語が自分をつくったのか。昭和という時代と団塊の世代のひとつの個人史を見事に重ね合わせた傑作エッセイ。
目次
なぜ私は本を読むのがやめられないのか―『友情』など
一九六三年の退屈―『乾いた花』
ドン・ガバチョのように生きたい―『ひょっこりひょうたん島』
68ers(シックスティエイターズ)―『突然炎のごとく』など
海岸行きの電車―「鉄ちゃん」の原景
須賀敦子の風景―『遠い朝の本たち』
紙とインクのにおい―『にんじん』
記すことなし。存在した。―『嘔吐』
山本七平の戦争―『私の中の日本軍』
石ころだって役に立つ―『道』
著者等紹介
関川夏央[セキカワナツオ]
1949年新潟県生まれ。上智大学中退
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感想・レビュー
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優希
87
60年代から70年代にかけての空気が漂っていました。団塊の世代ならではの青春が語られているのでしょう。本や物語が作り上げた個人史とも言えるエッセイ。世代がずれていなければ共感できることも多かったように思います。2017/06/27
kaikoma
2
自分が生まれる前から生まれた頃に青春時代を送った世代の人は、もう少し物理的に貧しい時代の日本を体験しているのだと思います。私がこの世代だったのは80年代後半から90年初頭ですが、思考や読む本、生活全般が全く異なっている事に驚きました。2017/02/03
qwel21
1
1960年代の空気を感じる。とほほ感。2008/07/11
エミ
0
60-70s 山本七平の戦争に新しい視点を授かる。2018/02/26