集英社文庫<br> 肉体のファンタジア

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集英社文庫
肉体のファンタジア

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  • サイズ 文庫判/ページ数 228p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087476361
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

ふくらみはじめた「乳房」を意識したころ。互いに「目」を見つめあうだけでわかりあえる関係。どこか性的にひかれる「毛」。中年男性の「背中」にただよう倦怠の魅力。受話器のむこうからこぼれる吐息のような「声」。そして女しか持ち得ない「子宮」の秘密とは。肉体のさまざまなパーツに刻まれた官能の風景、記憶が鮮やかに蘇る。五感を刺激するファンタジックなエッセイ集。

目次





乳房



贅肉

背中

皮膚




子宮

著者等紹介

小池真理子[コイケマリコ]
1952年10月28日東京生れ。成蹊大学文学部卒。出版社勤務を経て、作家活動に入る。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年「恋」で直木賞、98年「欲望」で島清恋愛文学賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

37
肉体のパーツにまつわるエッセイ集だが、小池真理子が綴ると、どれも官能の風景として見えてくる。例えば「指」は、産婦人科になった同級生がクラス会でほろ酔いになり、人差し指を立てて「ボクはこれ一本で生活してるんだよ」と言った下ネタエピソードから始まる。あからさまな告白は、小池のエッセイの特徴のひとつではあるものの、その直接的な下ネタから指をめぐる妄想を起動させ、詩的で官能的な世界を構築させていくのだから、まるで油断ならない。(つづく)2021/10/26

よつ葉

23
この本は小説ではなく、エッセーで、小池真理子さんの世界感が綴られています。それにしても、この単語からの表現力はすごいなぁ。誰もが持ち合わせているカラダのパーツから、エロティックな部分を含めてうまく表現出来るのは、さすが小池真理子さんですね。小休止に素敵な読み物です。2018/05/17

みるみる

19
骨、指、歯、唇、爪、などの身体のパーツ18部分について著者が、これらのパーツをあらゆる視点から考察&分析しながら自信の想い出や体験を交えつつ話が繰り広げられるエッセイ。小池さんの小説は読んだことあったけど初めてエッセイを読んで、ここまで感性が鋭くて、こんなにもマニアックな世界観を展開できる人だとは思わなかったので衝撃だった。しかも文章のレベルがとても高くて文学と哲学の間を行き来きするような、この独特な世界観は料理で例えるなら、なかなか手に入らない貴重なスパイスめいたモノ。この感性と視点は格別。2015/10/03

佐島楓

6
小池先生のエッセイは、対象との距離がつかず離れず、独特。たぶんファンの方はこういうところが好きなのかな。2011/05/18

cithara

5
特に猫の描写に魅せられる。「どこもかしこもふにゃふにゃで、ちょうど、生温かい湯を充たした薄手の皮袋を抱いているような感じになる。」←『骨 bone』我が家の猫を見るたびに「ドラえもん」を思い出す。確かに「猫型ロボット」だ... 。小池さんは「未だ猫の臍を確認したことがない」そうだが、私は見つけてしまった。一体どんな機能を果たしているのか? と首を傾げるほど小さい。もっともその機能は退化しているのかもしれないが。本書はあくまでも女性の肉体に関する考察。本書を読了後他の著作を読むと興味深いかもしれない。2017/06/07

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