内容説明
学者、政治家、エネルギー問題の専門家、そして自治体の首長や市民レベルの運動家達によって支えられ、原子力問題の先進国ドイツは、廃絶の方向へと確実に進んでいる。しかし日本はどうであろうか?依然として原発事故は頻発し、高レベル廃棄物最終処分問題を抱えたままである。本書はそれらの問題をつき、革命的なエネルギー開発の現状などを新たに加え、人類がとるべき道を教えるルポルタージュ。
目次
第1章 ワイツゼッカー博士が語る50年後の地球(賢人ワイツゼッカー博士は、日本人に強く警告する;日本はなぜ、プルトニウムを放廃しないのか ほか)
第2章 日本に突きつけられた高レベル廃棄物の恐怖―ゴアレーベン最終処分場(20世紀最大の遺産;「禁断の土地」―高レベル廃棄物の最終処分場 ほか)
第3章 こうしてヴァッカースドルフの森は守られた(問題のはじまりとドイツ南部の地理;核配備とチェルノブイリ ほか)
第4章 カルカーの高速増殖炉の脅威―原子力産業幹部が明かすプルトニウム放棄の真相(ライン河畔の天国に建てられた地獄の高速増殖炉カルカー;カルカーの重大事故 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
3
放射性廃棄物の処分はドイツに対しても日本に対しても突きつけられている課題である。ところでドイツが行おうとした地層処分における高レベル廃棄物を入れておく容器はいずれ溶けてなくなる。溶けた後はガスが発生し高レベル廃棄物はまだ非常に熱いままだから岩塩を溶かす。岩塩が溶けていけば高レベル廃棄物は漏れ出し地下を汚染する。そして回収は不可能になる。筆者は地層処分は不可能と断定する。1年後のことさえ分からない現代人に数万年の管理はできない。けれども人の見えない所で管理するよりは人が見える所で管理すべしと結論付けている。2013/11/01
Ikuto Nagura
1
「核爆弾百万発を搭載し、着陸する飛行場のないまま飛び続ける飛行機、それが原子力だ」その解決策“核燃料サイクル”の破綻を示す第四章の図は、本書が著された20年前から進展改善されたろうか。現実には、福島の四基の炉心溶融した原子炉という最悪の高レベル廃棄物が目の前に登場し、どうにもならない状況に追い込まれてしまった…。その状況に至っても、まだ原発を動かそうとする者がいる。“アトム・マフィア”の策動なのか、資源小国の意地なのか。世界は呑気な私たちを冷笑している「政治的なことを、日本人は議論することがないようだね」2014/11/28
shiaruvy
0
★3.5 恐怖の情報与え自分たちに解答出させるドキュメント。
i-miya
0
1999.08.26 購入