出版社内容情報
病院内の人間模様を浮かび上がらせる長編。
優秀な外科医でありながら、大学でのエリートの道を捨てたどこか影のある直江庸介。看護師の倫子はそんな彼に惹かれ、深く愛するようになる。酒に溺れ、女性関係が絶えない医師と恋人の恋の物語。
内容説明
個人経営のオリエンタル病院で一勤務医として働く直江庸介。優秀な外科医でありながら、大学でのエリートの道をあっさり捨てて振り返らぬ、どこか影のある男だった。看護婦の倫子は、そんな直江に惹かれ、やがて深く愛するようになる。酒に溺れ、何人もの女性と関係を持ち続ける彼には、人には言えない秘密があった。孤高の医師と恋人との愛の物語を軸に病院内の人間模様を描いた傑作医療小説。
著者等紹介
渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。70年『光と影』で第63回直木賞受賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。97年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよんだ。2003年には紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カーミン
32
久々の渡辺淳一作品。1971年頃書かれた医療小説だから、昨今の個人情報保護法もコンプライアンスもあったもんじゃないって感じだけど、それでも引き込まれてしまう。大学でのエリートの道をあっさり捨てて個人病院の勤務医となった直江。これからどういう展開になるのか。下巻が楽しみ。今月の400ページ本読了目標達成だ~~♪2020/08/14
どぶねずみ
22
ドラマ『白い影』の原作だが、映像できないシーンはドラマではずいぶん変更されている。病院の現実はどんなものなのか謎が多いし、近頃は病院のミスで命を落とす患者が多いときが、この本を読むと少し謎に包まれた病院の実態がわかったような気になる。また、患者に重い病気であることを告知すべきかどうかは未だに問題とされているが、この本で医師の気持ちや、医者という立場から見た状況判断も読み取れるような気がした。2001/02/16
小豆姫
9
これまた病棟本棚の一冊。ふつうなら手に取らないかな~っと。『○○愛の劇場』往年の昼メロメロドラマといった感じ。登場人物の口調も素振りも、いちいち作りものめいてるんだけど。それでも先を急がせ読ませる確かな力がある。直江先生の正体やいかに❗️ 2021/05/31
takehiro
9
医師としての知識や技術は優れているようだけど、無愛想だしなんか偉そうな直江医師。寄ってくる女性たちが、、、下巻は修羅場な予感。2021/04/22
くり
1
直江の秘密が気になる。死んでしまいそうな雰囲気だ。何かを隠しているのはわかるのだた、病院の患者もいろいろな登場人物とともに同僚の正義感を振りかざした感じも淡々とする直江とは対照的だ。2013/05/24