出版社内容情報
夢の甲子園。名門校補欠球児たちの熱き物語
「あの頃の友達はどうしてる?」恋人の言葉で甦る、封印した高校時代の記憶。甲子園の名門校、補欠野球部員として、夢にすがり、破れ、一番大事なものを知った。映画化もされた青春小説。(解説/森 義隆)
内容説明
地方への転勤辞令が出た青野雅人は、恋人の佐知子から意外なことを打ち明けられた。付き合い出すずっと前、高校生のときに二人は出会っていたという。彼は、甲子園の常連・京浜高校の補欠野球部員だった。記憶を辿るうち―野球漬けの毎日、試合の数々、楽しかった日々、いくつかの合コン、ある事件、そして訣別。封印したはずの過去が甦る。青春スポーツ小説に新風を注いだ渾身のデビュー作。
著者等紹介
早見和真[ハヤミカズマサ]
1977年、神奈川県生まれ。大学在学中より雑誌その他媒体にて執筆するなど、ライターとして活躍。2008年、『ひゃくはち』で小説家デビュー。同作は映画化、コミック化され一躍ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
121
青春スポーツ小説が超好きなんだなと思える一冊でした。ある名門野球部の若者たちの野球漬けの日々と野球と決別させる出来事、そして大人になった彼らの心のもやもやに折り合いを付ける話です。冒頭の父親からの手紙には、不覚にも電車内で泣きそうになるくらいグッときました。そして、その手紙を読んで、確実に成長していっている雅人君にはエールを贈りながら読んでしまいました。また、雅人くんとノブ君の関係には「青春してるなぁ」という言葉が何度口に出たことか・・・。ただ、ベタだけど事件はタバコか飲酒にしてほしかった思いです。2014/11/03
散文の詞
92
軽薄な文章が、高校野球のを書くのにこれだけマッチするものかと、思いながら読んだ。とはいえ、試合や部活動がどうのというよりも、人間関係や部活動という社会について書かれていて、自分の場合も(野球部ではなかったけど)そんな感じだったかなって、つい置き換えながら読んだ。何か秘密めいた事が中心にあって、それが、最後にわかるけど、これってどうなんだろ。この点は、あまり共感できなかったな。まあ、大人になって、社会人になって、その当時のことを改めて見つめなおし、それをどう今に活かすか、そんな事を考えさせられる話だった。2020/02/22
takaC
87
図書館から借りてきて読み始めた単行本は大きくて持ち運ぶのに不便だからという理由で買ってきた文庫を先に読み終わってしまった。単行本は甲子園での山藤戦が終わった辺り。しかし高校球児の実態はこんななんだね。桐蔭の野球部員だった早見氏が書いてるのだから事実に近いんだろう。タイトルの意味が少々難解だった。原稿用紙1,000枚版ではストンと腑に落ちる仕掛けだったのかな?2015/05/18
H!deking
86
何冊か読んでる早見さんのデビュー作ですね。これも何故かサイン本見つけたので買ってみました。自分は中学写真部の高校軽音部だったので、野球の試合のくだりはちょっとクドく感じましたが、それを差し置いても面白かったです!青春の一ページは誰にでもありますよね。いろいろ思い出しました。なんだか無性に野球がやりたくなって……は無い。お父さんがめっちゃ素敵です。ちょっと泣きそうになりました。2022/10/12
えりこんぐ
82
強豪校の野球部員も、中身は普通の高校生男子。鬼の練習メニューをこなしながら束の間の休日には合コン三昧! こんな高校球児は嫌だと思う人もいそうだが、わたしは好きだなぁこの子達。今度から甲子園のスタンド部員たちもじっくり見ちゃいそう笑2018/07/19