内容説明
江近の戦国大名浅井家に美人姉妹と名高いお茶々、お初、お江が生まれた。姫達は、伯父信長に父を滅ぼされ、信長が討ち死にした後は、猿と蔑む秀吉の庇護を受ける。やがて、勝ち気な末娘お江が、水軍の将・佐治一成に嫁ぐ…。愛する男と無理矢理引き裂かれた姫は、運命に翻弄されながらも、水の如くしなやかに生き抜いていく。熱い想いを秘め徳川将軍家正室に上りつめた女の恋物語。書き下ろし歴史小説。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。昭和52年、東京女子大学史学科卒業後、婦人画報社編集局入社。7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、フリーランスのライターに。平成15年「桑港にて」で歴史文学賞受賞。平成21年「群青日本海軍の礎を築いた男」で新田次郎文学賞受賞。同年「彫残二人」で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roomy
13
歴史物は苦手ですがこの作品は読みやすかったです。でも読んでいてなんとも辛くなりました。女は所詮、男の道具になってしまうのでしょうか。お茶々は頑張ってくれましたけどね。2012/10/20
マサキ@灯れ松明の火
7
浅井三姉妹の末娘のお江を描いた作品です。諸田先生の描いた「お江」とは、また違った魅力がありますね。史実と虚構を織り交ぜて描く時代物は、作家さんの腕の見せどころです。今作品は、徳川秀忠に嫁する場面で終えてますが‥後半生も描いて頂きたかったです。ただ、こちらは、姉である「お茶々」の存在感が凄かったです。「お茶々」の存在がなければ、戦国の世を生き抜くことはなかったのでは?と思わせてますね。2011/10/25
yamakujira
2
浅井長政の娘として生まれ、織田信長(史実では信次とも)に保護され、柴田勝家が養父となり、佐治一成に嫁ぎ、織田信包に庇護され、豊臣秀勝に再嫁して、茶々の世話となり、徳川秀忠に再々嫁する、まさに波乱万丈の女性を描く。血筋ゆえに運命に翻弄された悲劇ではあるけれど、彼女に関わった者が揃って戦死、陣没、改易って、呪われてるようだ。そんな理不尽で不幸な運命を強調するように、秀忠に嫁ぐ直前の場面で物語を終えるのが憎いね。「それぞれ別の物語」として擱いた茶々と江の後半生を、いずれ読ませてくれるかな。 (★★★☆☆)2020/02/12
yearning for peace
2
最初に嫁すことになる佐治一成と共に、黒漆を塗られた浅井長政の頭骨を竹生島に沈めに行く十歳の頃から、徳川家へ三度目の嫁入りとなり、初産のお完と別れるまでの半生を描いた作品。父を知らずに父を殺した信長を敬慕、初めての父・柴田勝家と母・市との別れ、一成との短き幸せを憎き秀吉に引き裂かれた策略、秀次・秀勝の陥穽、秀勝への再嫁と別れなど、怨恨を乗り越えて常に抗えぬ非情な運命に立ち向かう姿に、圧倒されました。2011/02/28
masa
0
[図書館本]第一章いい!こんな感じのは初めて読んだ。秀吉イヤなヤツだなぁ。2017/03/30