内容説明
「夢顔さんによろしく」―遠くシベリアの収容所から届く謎に満ちた手紙。送り主は名門近衛家の嫡男、文隆。アメリカ留学で華やかな青春を過ごし、上海で美しき中国人女性との恋に燃えた青年貴族。彼は日中戦争を終結させるべく必死の和平工作に臨むのだが、やがて過酷な運命に巻き込まれ…。知られざる貴公子の生涯を描くノンフィクション・ノベルの最高傑作。第13回柴田錬三郎賞受賞作品。
目次
第1章 一九四五~四七 東京
第2章 一九四七 モスクワ
第3章 一九一五~三四
第4章 一九三五~三八
第5章 一九三八~三九 東京
第6章 一九三九 上海
著者等紹介
西木正明[ニシキマサアキ]
1940年秋田県生まれ、週刊誌記者を経て作家に。80年『オホーツク諜報船』で日本ノンフィクション賞新人賞、88年『凍れる瞳』『端島の女』で直木賞、2000年に『夢顔さんによろしく』で柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
56
再読。凄すぎて感想が書き難いです。歴史にタラレバは禁物ですが、そのタラレバにボチさんが少なからず係っているのは非常に興味深いです。2016/09/17
ehirano1
6
まだ夢顔さんは出てこない・・・?!2016/08/22
キムラ
2
【ビフォー】白洲次郎さんやら吉田茂さんやら、広田弘毅さんやら、戦争前後の小説になると必ず登場するもどうにも理解できてなかった近衛さんのことが知りたくてこちらの小説を読んでみました 【気づき】 読むまで文麿さんのほうが主人公だと思ってました。優柔不断な方ってイメージしかなかったのですが、非常に魅力的な人物でした 【todo】 荻外荘とか都内で縁のあるところ行ってみたい2018/10/01
ポポロ
1
上下を一日で読んでしまうほど面白かった。どこまでが史実でどこまでが創作かはわからないが、振り幅が大きく激動の人生を生きながらも、基礎が変わらずまたもっとも美しく辛い過去を心の底に仕舞えるところはさすが近衛家の御曹司なのだろう。もっとも魅力的な場面は上海だが、ピンルーは実在で写真も残っているんだな・・・。作中ではこれ以上はないほど魅力的な女性だった。 ソ連編でのソ連の工作は恐ろしいばかりだが、不毛地帯の裏なんではないかなと思えた2018/09/29
Teppei Tsujiyama
1
人から借りた本。ある意味、戦争責任を追求されかねない人達から見た第二次大戦。面白い2013/08/15