内容説明
長引く不況にあえぐ日本。広がる格差、減ってゆく子ども、増える自殺…生きることはますます窮屈になっている。けれど本当は、勝ち組負け組の線引きなんかに意味はない。きみはきみらしく、ゆっくりとすすめばいいんだ―。働くことや恋すること、趣味、子育ての話題から世界情勢まで、しなやかな視線で時代を切り取り、閉塞した「今」を生きる若者たちにエールをおくる。著者初のエッセイ集。
目次
組に分かれず
新人の椅子
自分をなくし、国を立てる
五月病へのアドバイス
「ビッグイシュー」のおおきな仕事
ジャズタクシーの演出法
転職のイエス・ノー
みんな、死ぬな
人口減少大国ニッポン
勝者のいないM&A〔ほか〕
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年東京生まれ。97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞を、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いずむ
32
空は、いつだって、青い。その問い掛けに、ボクはこう答えるコトにした。雲が垂れ込めても、夜の帳が降りても、その本質は変わらない。その青さを見つけられないのは、青く見えるトコロにいないだけ、青く見える時ではないだけだ。悩んで苦しんで、ボクはまたこの本を手にした。きっと、正しいから選ぶんじゃない。味方をしてくれるから選ぶんじゃない。1人の人間、1人の男として、先輩の言葉を聴かせてくれる。人生の意味を、人生の価値を、ボク自身が決めればいいと教えてくれる。空を見上げて、青さを確かめる、一瞬の余裕を与えてくれるから。2013/02/15
いずむ
31
石田衣良さんのエッセイは初めて。数ページ読んで、なぜもっと早く読まなかったのか、と後悔。等身大の言葉、うつくしいことば。中身はとても語れません。小説で味わう感動とは違って、エッセイで味わう感動は人から教えられて、押し付けられて味わうものではない。エンタテインメントではないから。あえて言うなら、『世界の半分は心でできている』が最も今の日本に響くことばを綴っているのではないか、と思います。執筆から7年が経つ今、ますます読者の心を掴む文章へと、世界の方が変わってきていると思います。小説よりもオススメしたい作品。2012/01/03
ちぇけら
23
『山井の携帯の番号を知りたいんだが、調べつくかな?』『今日も空は青いか?あたりまえのことを聞くな』。マコトとタカシの声がよみがえる。とても変な言いかただけど、この本は、石田衣良版のウエストゲートパークだ。社会で生きることは、窮屈でつらい。思っていたほど仕事ができない自分に、他人と比べたがる同僚に、毎朝痺れるほど眠いからだを叩いて起きる生活に、嫌気がさす。「きみはきみらしく、ゆっくりとすすむ。ただし、ひとりぼっちだと嘆きながらではなく、自分の速度で」とびきりの処方箋だ。日々に忙殺され困憊した、ぼくらへの。2019/05/21
ちばと~る
23
石田衣良先生のエッセイ集。恋愛、世相、経済、と多岐に渡った話題でちょこっと共感〜。ライブドアでホリエモン全盛期のころのご本なんですな。推理作家協会ウイスキー呑みたい〜北方謙三先生わどこのエッセイに登場しても強烈なキャラっすね〜w浅田次郎先生のエッセイでも笑ったよ〜IWGPシリーズ未読なので読まねば〜短編小説のキモ!!勉強になりますた!!2013/04/04
ミカママ
23
完全に若い世代(R25)を対象にしたエッセイ集。すぐに気が付いて、「あーこれ違う」と思ったんだけど、読みやすいので意地で読み通してしまいました。笑 いいこと言ってます、若いみなさん、ぜひ読んでみましょう。2013/03/25