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集英社文庫
明烏―落語小説傑作集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087463996
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

大学生になった甥の堅さを心配した叔父が、昔なじみの女将に…。初心な若旦那が騙されて吉原へという落語を現代の艶笑譚に昇華した『明烏』。「天神山」と「立ち切れ」を芸能の本質に迫る人情譚に仕立てた『天神山縁糸苧環』。他、「三十石夢の通路」「反魂香」など有名落語を、奥深い芸道と色恋の艶を加えて、粋で鮮やかな世界に完成させた珠玉の作品集。全四編。

著者等紹介

小松左京[コマツサキョウ]
1931年大阪生まれ。京都大学卒業。61年「地には平和を」で第1回SFコンテスト選外努力賞受賞。以後、精力的に作品を発表。73年の『日本沈没』が日本推理作家協会賞を受賞し大ベストセラーに。日本SF界の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

50
米朝師との対談、夢枕獏の鑑賞、大森望による解説ちう大盤振る舞いや。豪儀なことでっせ。半村良はんは『妖星伝』など長編もエエけんど、川口松太郎ばりの人情話も乙なンのと同じゅうに、「歩くエンサイクロペディア」たる左京大人の芸道モンもめっちゃ刺さるわ。全四編や。現代の艶笑譚「明烏」に、落語の「天神山」と「立ち切れ」を芸能の本質に迫る人情譚に仕立てた「天神山縁糸苧環」。ごっつええ感じやわ。好きや。後の「三十石夢の通路」「反魂香」も併せ、芸道と色恋を基調に、今世に、粋な世界を現出させた作品集てなとこかいなぁ。再読。⇒2023/07/15

tama

13
図書館本 小松ファン 作者検索で 掲載作品は全て自本で既読 しかし、最後に特別付録桂米朝対談、夢枕の後書きが収録! はずみで結局全部読んでしまった。小松大人は、日本の香り、雨の日の湿度、風や衣擦れの音などを文章にして読ませてくれる。教養知識もさることながら感性と筆力が半端でないのだ。小松大人、米朝師匠、茂山千之丞、これらの人をもう味わうことが出来なくなった我らには何が残っているというのか。2020/01/04

Aminadab

9
3代目桂米朝(1925~2015年)との交流から生まれた作品群。なるほど「天神山縁糸苧環」は間然するところのない名短編だと思った。それにつけてもこの作者は、最初期の「時の顔」からそうだが、天保くらいだととりたてて調べ物をしなくてもそらで書けてしまうのだと思う。落語はともかく、謡曲や浄瑠璃、歌舞伎は我ながら何にも知らないなと思い知らされた。「関寺(せきでら)」とか「蟬丸」とか、今はウェブがあるからそのつど調べは届くんだけども。2020/05/13

ダージリン

5
最近見に行った小松左京展で購入したもの。小松左京は長編も良いが、こういう作品も良いなあと改めて思う。個人的には「天神山縁糸苧環」が特に素晴らしく、味わい深い人情噺に完全にやられてしまった。小松作品では、歴史を交えたユーモアものが好きだったのだが、落語と絡めたこの作品群も実に良かった。2019/11/10

しんこい

5
小松左京が落語を題材にするとアチャラカ風ギャグの入ったお話になるのかと思いましたが、全く違いました。花街や芸人の昔の情緒にあふれた作品がメインで、天神山の話は人情、芸道、幻想とぴたりとそろって絶賛されるのもごもっとも。2013/07/10

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