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集英社文庫
二列目の人生―隠れた異才たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 232p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087463521
  • NDC分類 281.04
  • Cコード C0195

内容説明

ひとつのことに打ち込んだ人は、それぞれ自分自身のルールで生きている。たとえ世間とぶつかっても、妥協しない。あるいは妥協できない。貧窮の中で優れた研究を続けた植物学者・大上宇市、日本を愛し、徳島で生涯を終えたポルトガル人・モラエス、大分・湯布院の名旅館・亀の井別荘を作った中谷巳次郎、近代感覚を尺八演奏に持ち込んだ福田蘭童など、歴史に埋もれた天才たち15人が鮮やかに蘇る。

目次

大上宇市―もうひとりの熊楠
島成園―松園のライバル
モラエス―ハーンにならない
中谷巳次郎―無口な魯山人
西川義方―天皇のおそばで
高頭式―先ズ照ラス最高ノ山
秦豊吉―鴎外の双曲線
魚谷常吉―包丁とペンと
篁牛人―志功を見返す
尾形亀之助―賢治の隣人
福田/蘭童―尺八と釣り竿
小野忠重―版の人
中尾佐助―種から胃袋まで
早川良一郎―けむりのゆくえ
橋爪四郎―もうひとりのトビウオ

著者等紹介

池内紀[イケウチオサム]
ドイツ文学者、エッセイスト。1940年、兵庫県姫路市生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

115
ドイツ文学者の池内さんが、さまざまなミニコミ誌に発表された、一流ではないけれどなにかを成し遂げた市井の人々を取り上げての人物論です。私も知っている人は数名でしたがこのような人もいたのかという眼を開かれる思いでした。よくこのような人々を探しだしてこのような本にしてくれたと感じました。2018/03/28

キムチ27

47
落ち込んでる時にはこんな本、最適。等身大で生きてきた人の軌跡が、池内氏ならではのペンでステッチされる。余計な審判的感覚が省かれているせいか、モノクロ映像をみる感じ。奇人変人…画家によくあるんだなぁ。学者、文人にも。数日前、東大生に多いアスペルガーの記事があったのと併せ考えてみたりして。平成ともなると彼彼女らが色物と評されることこそ、社会の窮屈さを映すのかもとひとりごち。2016/02/12

Pー

18
もう一人の棟方志功、もう一人の宮沢賢治、もう一人の小泉八雲、もう一人の上村松園、等々。同等の才能を持ち同じ時期に同じ場で力量を競いながら片方は文化勲章や評伝や全集に飾られ、もう一方は忘れ去られた、そんな隠れた異才たちを掘り起こした作品だ。豊かな才能を持ちながら貧しさに足をとられ、折角のチャンスに「中央」へと出そびれた人たち、世間に妥協するのをよしとせず、意固地になったり、時流に逆らったり、わざと無視したり、世にときめくより自分の世界を大切にした人々。二列目ってカッコイイな!。 2016/11/26

西澤 隆

5
題に惹かれて手に取ったが、読み始めてすぐに「魯山人など『一列目』の人のことをよく知ってるわけじゃないからしんどい読書になるかも」と感じることに。その認識が翻ったのは紹介されている本人のことを少しだけ知っていたモラエスのエピソードに遭遇してから。そこからは「二列目」を忘れて、有名ではないけれども素敵なひとたちの短い列伝として楽しんだ。そして「誰かの影」であるという視点を忘れて読めば紹介される人々はとても魅力的で、例えば篁牛人記念館や小野忠重版画館に行ってみたくなったりするのだ。著者は静かな紹介の達人だなあ。2017/01/04

NN

4
歴史の第一線には記されていないかもしれない。けれども、それでも自分の好きな事や才能を追求し続けた人々がいつの時代にもいる。 極貧の中、植物学者を圧倒する標本を死ぬまで収集しつづけた大上宇市。 宮沢賢治と同じ境遇でありながら日の目を見なかった詩人尾形亀之助。 世話好きが高じて日本における版画の歴史の庇護者となった小野忠重etc ”一列目”にはなれなかったかもしれない、それでも、ここにある15人のエピソードはきらきらと光って、いつまでも胸の内を離れない。2013/12/10

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