内容説明
アメリカはなぜイラク攻撃を強行したのか、北朝鮮は何を望んでいるのか、パレスチナはどこに向かうのか。世界はめまぐるしく変動し混迷をきわめている。そしてわたしたち日本人も無関係ではいられない。その世界情勢を理解するには、少し前の出来事を知る必要がある。9・11以降、世界が注目する国や地域の現代史を取りあげた、大好評、池上彰の『そうだったのか!』シリーズ文庫化第二弾。
目次
第1章 誰がフセインを育てたか イラクが軍事大国になるまで
第2章 アフガニスタンが戦場になった―ソ連軍侵攻と米軍の攻撃
第3章 パレスチナの大地は再び血塗られた
第4章 「モスクワの悲劇」はなぜ起きたのか チェチェンの人々
第5章 北朝鮮はなぜ「不可解」な国なのか
第6章 南アジアは核戦争の恐怖に怯えた インドとパキスタンはなぜ仲が悪いのか
第7章 核兵器の拡散―続く戦後世界
第8章 放射能の大地が残った チェルノブイリの悲劇
第9章 「花の髪飾り」の抵抗 アウン・サン・スー・チー
第10章 二一世紀最初の国が誕生した 東ティモール独立
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
1950年長野県生まれ。73年、NHKに入局。2005年まで32年間、記者として事件や災害、消費者問題などを担当する。また、94年から11年間は、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
90
『そうだったのか!現代史』から続けて読んだ。第二次世界大戦以降も、どのくらいの人が、戦争、紛争、テロや内戦等で、負傷し、虐殺され、難民にされ、処刑され、拷問にかけられ、レイプされ、餓死したのだろうか。今もなぜ嘘で塗り固められた独裁国家が存在しているのか。世界の現代史を改めてこの2冊で読んでいると、流石に人間(特に指導者たち)の愚かさに途中で疲れた。ただ、今世界で起こっていることを正しく理解するためには、現代史を知らなければならないことも良くわかった。少し休んでから、このシリーズの他の本もを読むことにする。2015/01/24
HIRO1970
79
⭐️⭐️⭐️図書館本。久々の池上さん。パート1は未読ですが、読んでみました。毎度ながらメチャクチャ解りやすいのは助かりました。若い人等が世界に目を向けるきっかけになるような本だと思います。池上さんのテレビ特別番組もあれば必ず録画してチェックしていますが、解りやすく伝える為の普段からの努力は並々ならぬものがあると思います。どんな仕事でもプロ意識の高い人はいますが、伝える力もお持ちな池上さんを拝見する度にリスペクトしてしまいます。やはり現代のニュースの伝道師ですね。2015/04/04
ntahima
52
第七章 核兵器の拡散:どちらが先に攻撃しても結局両方とも全滅するという「相互確証破壊」による核抑止論、「大規模な核戦争ではない核戦争」でなら使える戦術核、相手のミサイルを迎撃しないという奇妙な約束であるABM制限条約。第十章では共産主義への被害妄想的「ドミノ理論」。現在の視点で歴史を弾劾するのはフェア―ではないが、超大国の秀英達が捻り出したにしては、余りにもお粗末な出来と言わざるを得ない。“昨日より明日が素晴らしい!”と信じたい。この後、第二章アフガニスタン、第四章チェチェンについて、関連書籍を読む予定。2012/11/05
再び読書
49
世界には残虐な人間が多いと驚いてしまう。フセイン、キム・イルソン、プーチン、アラファト、シャロン、名前を上げればキリがない。また、国家としてのインドネシアにも幻滅する。アフガニスタンも元を正せば米ソの対立のとばっちりが、大きな炎となり、アメリカに吹き返した。パレスチナの悲劇はいつ収束を迎えるか?その上ロヒンギャのように未だに出口の無い悲劇も継続中。この問題を解決できる根本の考えは「八百万の神々」という概念では無いだろうか。経済を武器に日本がそのリーダーシップを取ってほしい。と言っても日本も今は自分主義かも2019/08/20
みゃーこ
40
このシリーズは異常に面白い。そして現代人が過去から何を学び何を学ばなかったかを振り返るために非常に深い洞察を与えてくれる。広島原爆、チェルノブイリ原発事故、テロ問題、東西冷戦がもたらしたもの。戦後の核開発競争をめぐって世界が主導権争いをしている図式をとらえる…一人ひとりは人間の崇高な理性に地球の未来を委ね「ダモクレスの剣」の下で不安定な平和を享受している。想像力があればまさに気が狂いそうなほど首の皮一枚の平和…核兵器の恐ろしさを唯一体験した民族として改めてそのことを考える契機になる。2013/01/06