内容説明
一九九九年一月、マルク州の州都アンボンで、イスラム教徒とキリスト教徒の殺し合いがはじまった。インドネシア最大のイスラム過激派組織ラスカル・ジハードの参戦や、アメリカのアフガニスタン空爆により抗争は拡大、より凄惨なものとなる。そんな状況下、一介の技術者だった笹沢浩平は、インドネシア陸軍情報部の策略にはめられ、烈しい憎悪と殺戮の渦に呑み込まれてゆく…。
著者等紹介
船戸与一[フナドヨイチ]
1944年山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。79年『非合法員』でデビュー。85年『山猫の夏』で第6回吉川英治文学新人賞を、89年『伝説なき地』で第42回日本推理作家協会賞を、92年『砂のクロニクル』で第5回山本周五郎賞を、2000年『虹の谷の五月』で第123回直木賞をそれぞれ受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カワセミ440
5
図書館の予約が進まない、なので船戸さんの読んでなかった本を選んでみた。やっぱり船戸さんの話の作り方って凄いね。なんで読んでなかったんだろう??2020/11/21
シロー
2
覚え難い名前が多い上に、視点が四つもあるので最初はシンドイです。下巻に期待しましょう。2011/11/24
ODA
1
登場人物の繋がりと名前を一致させるのに最初は苦戦したが、慣れると、このスリリングなストーリーに一気に引きずり込まれた。下巻が気になる。2013/07/27
zero
1
複数の主人公の運命が次第に絡んで盛り上がっていく船戸作品恒例の展開。ご近所さん同士で殺しあうという、日本じゃ考えにくいが、ルワンダとかユーゴスラビアとかで実際にあり、おそらくインドネシアもそうなのだと思う。悲しいねぇ...下巻では、笹沢の父親が残した"R"とは?サスチオンとディサフの決着は?コファン親子の確執は?パティムラ=ファウジと笹沢の邂逅は?インドネシアのおけるプロテスタントとイスラムの争いの行方は?などなど盛りだくさん。全部にオチがつくのか?船戸与一だから心配はしなけどね。2013/02/26
miyamo
0
◎2016/09/10