内容説明
恒例の「一人避暑」に行く父親と犬のミロにくっついて、五年ぶりに北軽井沢の山荘で過ごす小説家志望の「僕」。東京に残った妻には、他に好きな男がいる。危ういのは父親の三度目の結婚も同じらしい。―かび臭い布団で眠り、炊事に疲れてコンビニを目指す、アンチスローな夏の終わりの山の日々。ゆるゆると流れ出す、「思い」を端正に描く傑作小説。翌年の山荘行きを綴る『ジャージの三人』収録。
著者等紹介
長嶋有[ナガシマユウ]
小説家。1972年埼玉県生まれ。北海道育ち。2001年『サイドカーに犬』で第92回文學界新人賞受賞。同年、『猛スピードで母は』で第126回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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