出版社内容情報
四人家族の横山家の歩みを中心に、人の心の成長を描く九つの物語。子供も、親も、保育士さんも、先生も、互いに誰かを育てている。子供に関わるすべての人に贈る感動作。(解説/マイケル・エメリック)
内容説明
グーパーじゃんけんで人数の少ない方がコート整備をする。それが中学一年の太二が所属するテニス部のルール。ある日、太二は同級生の武藤にパーを出そうと持ち掛けられ、その結果、末永一人が負けてしまう。心にモヤモヤを抱えたまま、太二は翌日を迎えて…。(「四本のラケット」)子供も親も先生も、互いに誰かを育てている。四人家族の横山家の歩みを中心に、心の成長を描いた感動の家族小説。
著者等紹介
佐川光晴[サガワミツハル]
1965年東京都生まれ。茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部卒業。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞受賞。02年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。11年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
139
ある家庭とその周辺の人々の様子を描いた感動?短編集です。 でも、残念ながら私には響きませんでした。 どうせ家族を描くなら、短編ではなくて、長編になっていればいいのに。 まあ、それぞれを短編として発表しているようですから、仕方ないのかもしれませんが。 微妙にかかわっているのだから長編として読めたほうが楽しめたかも。 2021/12/10
future4227
51
2017年以降、中学入試では頻出の作品。太二くんの卒園式に始まり、中学を卒業するまでの彼を取り巻く子どもたちや大人たちの成長を描く連作短編集。特に大きな事件が起きるというわけではなく、日常のささいなトラブルや心のすれ違いを描いているに過ぎないのだけれど、世のお父さん、お母さんが読んだら、我が子とオーバーラップして泣けてしまうにちがいない。特に『本当のきもち』は号泣もの。佐川さんの小説はラストの余韻がいい。こんがらがった紐がもうすぐほどけそうという絶妙なタイミングで終わるんだよなぁ。2021/01/10
けい
28
ついにやってしまいました。単行本で既読なのに気づかずに文庫で再読。途中で、あれ…なんかこの話知ってる…となり、初めて気づくという残念っぷり。でも第一話ではうるうるっときたり、二度目でも最後まで楽しめた。2018/07/27
タルシル📖ヨムノスキー
21
ごく普通の、どこにでもあるような4人家族の横山家の息子、太二の9年間を軸に、横山家と、その周囲の人たちの成長を描く連作短編集。私はそろそろ〝子育て〟を卒業する時期なので、自分の今までを振り返りながら読み進めた。読みながら、決して誇れる父親ではなかったと、反省ずることばかり。「子育てって、試行錯誤の連続で、失敗の連続で、驚きと喜びの連続」だと思う。なんて言ったら、一生懸命子供と向き合ってくれた奥さんに「お前が言うな!」と叱られるかも。とにかく暖かい気持ちになれる物語。感動って、こんなに足元にあっまたんだ!2019/12/18
ゆきみ
9
子供の視点から書かれているものと親の視点からかかれているものがあり、それぞれの気持ちに共感できる。子供も大人も日々成長!2018/07/28