出版社内容情報
老舗古書店「東亰バンドワゴン」を営む堀田家の人気シリーズ第8弾。青の出生の秘密や、紺と亜美の出会い、研人とメリーの小さな恋物語など、隠れたエピソード満載の短編集。(解説/啓文社 三島政幸)
内容説明
今から30年前、突然、我南人が「この子ぉ、僕の子供なんだぁ」と生まれたての青をつれて帰ってきた―(「紺に交われば青くなる」)。二十歳の亜美が旅先の函館で置き引きに遭う。たまたま同じボストンバックを持っていた紺にいきなりの跳び蹴り。それが二人の出逢いだった(「愛の花咲くこともある」)など、「東京バンドワゴン」シリーズの知られざる過去のエピソードが明かされる全11編。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
247
東京バンドワゴンシリーズ第8作目。今回はいつもと違う番外編で、11の短編からなっている。11人の登場人物がそれぞれの視点で今まで語られなかったエピソードや登場人物の関係を披露してくれる。知らなかった、そうなんだというストーリー、ほろりとさせるストーリーがいっぱいで楽しめたのは嬉しい。2018/12/17
starbro
243
♡東京バンドワゴンシリーズ完読プロジェクト! https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11307678?sort=book_count&order=desc 第11弾は、第八巻フロム・ミー・トゥ・ユー、珠玉の短編集、オススメは『紺に交われば青くなる』&『愛の花咲くこともある』です!フロム・ミー・トゥ・ユー ♪ https://www.youtube.com/watch?v=3War_USPenY 続いて第九巻オール・ユー・ニード・イズ・ラブへ2018/09/03
mae.dat
218
目次から違和感。章タイトルが明らかに多過ぎる。と、思ったら、やはりいつもと趣向が違うのね。これまでの話、あれもこれも詰め込んで、ちょっととっ散らかった感じでしたから(だが、それが良い)。今回は一人一人とか、少人数にフォーカスして、馴れ初めやら前日譚などを丁寧に詳述しているのですね。これは順次読んで来たファンにとっては良いサービスになっておりますよ( ¨̮ )。(ご存じ、無茶苦茶な関係もあるけど)どのエピソードも優しさに包まれて、温かな気持ちになります(*˙˘˙)♡。2022/03/24
takaC
163
リアルタイムにシリーズを追えていない今日この頃を反省して挽回するきっかけにと番外編なここに立ち返ってみた。しかし挽回できるかまだ自信なし。2017/07/16
へくとぱすかる
160
シリーズの登場人物11人それぞれが語り手となって、「過去」を物語る。いわば知られざる堀田家のエピソード。いやスピンオフと言うべきか。本線の話では語られなかっただけに、それぞれの人生の深い部分を、少しだけのぞかせてもらったような雰囲気。いつもの話が人々の集まる「家」なら、この本は、その家を吹き抜ける「風」のような感じ。ちょうど風のうわさを聴いているような。さて、ここでは勘一と我南人は語り手をつとめない。なんと言っても、この堀田家のサーガで中心人物になる二人。語られることはあっても、語ることはしないのですね。2020/12/14