出版社内容情報
われわれに3.11を語る言葉はあるのか?
震災と原発禍にほのかな既視感を覚えた作家は、身体の内に泡立つ予感と外側を掠める兆しの両様に耳をそばだてる。日々の細部と世界規模のマクロを融合し詩的文章で綴る、かつてない形の文明批評。
内容説明
大地が揺れ海が盛り上がり、見たこともない火柱が立つ―3.11を予見していた作家が、震災に至る3年の間、日常の底に潜むかすかな兆しを丁寧にすくいとって描いた77篇の随想。わたしたちに本当は何が起きたのか、わたしたちは今、どこへ向かっているのか…。視えざる全体主義にからめとられた現代社会を抉る、胸ゆさぶる魂の言葉、黙示録的文明批評。文庫化にあたり、新たな視座を加筆。
目次
1(絵入り洋燈と観覧車;栴檀の大樹の下で;永久凍土のとける音 ほか)
2(たけのこ懐石;ことばに見はなされること;断念の沼のカエルたち ほか)
3(堕落した神;痛みのめぐみ;よるべきはなにもなし ほか)
著者等紹介
辺見庸[ヘンミヨウ]
1944年宮城県石巻市生まれ。作家。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、外信部次長、編集委員などを経て、96年退社。78年中国報道で日本新聞協会賞、87年中国当局から国外退去処分を受ける。91年『自動起床装置』で芥川賞、94年『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞、2011年詩文集『生首』で中原中也賞、12年詩文集『眼の海』で高見順賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumiha
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