集英社新書<br> イスラーム 生と死と聖戦

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集英社新書
イスラーム 生と死と聖戦

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087207644
  • NDC分類 167
  • Cコード C0214

出版社内容情報

「イスラーム教徒は過激で暴力的なのか?
そして、ジハードの根拠とは一体何か?」
第一人者がイスラーム法を
分かりやすく解説した、必読の一冊。

内容説明

絶え間ない緊張が続く、中東のイスラーム諸国をとりまく情勢。「イスラーム原理主義」すなわち「過激」「危険思想」というイメージが再生産されるなか、本来は唯一神・アッラーの存在こそが、人間の人間による支配と国家の暴走、対立を食い止める秩序になりうると著者は説く。国境を越えて勢力を拡大する「イスラーム国」への評価も踏まえながら、ムスリムたちの死生観をわかりやすく解説する、必読の一冊。東京大学先端科学技術研究センター准教授・池内恵氏の解説付き。

目次

序章 イスラームとジハード(インシャーアッラー;矛盾するイメージ ほか)
第1章 イスラーム法とは何か?(イスラームは法学的に思考する;知らない者は罰せられない ほか)
第2章 神(森羅万象はアッラーを讃える;イスラームの「神」とは何か? ほか)
第3章 死後の世界(人は死ぬとどうなるのか?;イスラームの霊魂魂 ほか)
第4章 イスラームは政治である(政教分離という現代の迷信;イフティヤール ほか)
第5章 カリフ制について考える(定規で引いたような国境線;領域国民国家体制への編入 ほか)
終章 「イスラーム国」と真のカリフ制再興(「イスラーム国」の誕生;「イスラーム国」を見る三つのポイント ほか)

著者等紹介

中田考[ナカタコウ]
1960年、岡山県生まれ。イスラーム学者。東京大学文学部卒業後、カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了(哲学博士)。同志社大学神学部元教授。専門はイスラーム法学・神学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

36
ハサン師が北大生事件ののちに書き上げた新書。少なくともスンニ(スンナ)派のアラブ人が書いていても不思議ではない内容だが、アミニズム孝は日本人ムスリムだからこその考えだろうなぁ。カリフ制に関してそれこそが最終的な到達点で最も自然な形ということも大ジハードのみならず小ジハードも同じく重要であるということとか確かにいわゆる専門家があえてそっぽを向いている(というか私も含めてそういうのはあっても一部の保守派の考えにちがいないと勝手に思い込んでいる節も)事柄もシャリーアに照らし合わせてみれば全く自然な(続く2015/03/24

James Hayashi

25
同志社大神学部元教授。東大にイスラム学科ができ30年経つらしいが、イスラム教の信仰を志したのは著者1人のみ。いかにイスラムが日本人に合わないかわかる。 捉えにくい観念である。人により解釈が違い厳然としたものが薄く感じられる。例えイスラムが平和的なものであっても、ジハードとして自爆テロを容認するは過激派と同様である。自爆テロの後、その家族を近隣の人々が厚く保護するなどテロ組織と呼ばれても当然であろう。2019/02/05

白義

24
日本人ムスリムとしてカリフ制再興を唱え、哲学的な意味でかなり原理的なイスラム主義者である中田孝自身が語る、イスラームの世界観。驚くのはその解説がイスラーム法学・神学を平易に語りながら、それを高度な哲学的論点とも接続し極めて洗練されたものにしていることで、アッラーの相から見る多元宇宙の可能性、さらにこの宇宙の倫理の基礎付けと本人も言うとおりSFのような議論も飛び出して、いわゆる布教の書というイメージから漂う野暮ったさがほとんどないのはお見事。また、イスラーム法が自由な解釈に開かれていることがかなり強調される2015/11/13

Porco

16
イスラム教の神というのは、自然法則みたいなものらしい。もしかすると、天の思想や儒学と似ている部分もあるのかも。日本でいう神は、ジンに似ていると。2017/12/12

オサム兄ぃ

12
「イスラム国」人質殺害事件を機に選んだが、時事問題が主題ではない。強く感じたのは、イスラーム教の直截さ。偶像崇拝は地獄に落ち、ジハードで死ねば天国に直行する。無神論者はより救いがたいそうで、最後の審判で小生はどんな目に遭うだろう。それだけに生活中で神や宗教について考える機会のない日本社会と、イスラーム法に則った生き方には大きな隔たりがある。「実は寛容」などと安易な親和の感情に読者を誘わないので、読んでいて突き放された感じがしてしまう面も。その点、新書には珍しい「解説」は理解を助けて、編集として見事。2015/02/24

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