内容説明
豊かな四季を持つ日本で、かつてわたしたちは時節ごとに旬や気候を取り入れた行事を楽しんできた。初詣の前にする「除夜詣」、煤払いの後で参加者の一番若い者を胴上げするしきたりなど、多くは忘れ去られてしまった行事を学びなおすことで、日々の暮らしがもっと生き生きと豊かなものになり、四季を身近に感じることができるようになるだろう。本書では元旦から大晦日まで、日本人の中に根付いていた行事、しきたり、衣食住等を豊富なエピソードとともに紹介する。
目次
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
著者等紹介
荒井修[アライオサム]
1948年東京、浅草生まれ。荒井文扇堂四代目社長。桑沢デザイン研究所講師。日本大学芸術学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こねほ
2
江戸時代から現代まで続く年中行事を記した本。今ではなくなってしまった行事もたくさんあって、歴史がわかるのが楽しい。ちょっと「昔はよかった」系の本ではあるけど、着物の衣替えの季節について厳しくしすぎることで着物人口を減らしているという言及には激しく同意。2014/08/02
はとば
2
この手の本にありがちな、昔の良さを持ち上げて今の貧しさを叩くというような、不必要なまでの懐古主義を警戒しながらの読みはじめだった。 全編を通して筆者が幼少期から「粋」な江戸文化を楽しんだ様子が紹介されており、上記のようなことはさほど気にならずに読むことができた。 今から実践できるようなネタも豊富で、アイデア集として楽しめた。2014/02/25
ikedama99
1
生活の時間の流れがゆっくりとしていた感じがする。その中で、それぞれの行事には、生活を豊かにする工夫があり、めりはりもあったようにも思える。時を楽しむ・・ということでは、現在より豊富な生活ではなかったろうか・・とも思う。現在は、刺激も多く、つながりも個々で簡単につながれるが、それが生活自体にどのように潤いをもたらしているのかとも考えてみる。四季の移り変わりともにあったかつての生活の工夫、今あってもいいのはどんなことだろうか?2015/07/21
食いしん坊
1
古く伝わる東京の年中行事に風習など、粋な語り口調で綴られていて、読むうち寺巡りや下町散歩にでかけたくなる。品川で釣ったハゼを雑煮のだしに使う話など、食文化の案内も満載でとても面白い。2013/06/25
朝吹龍一朗
1
もうちょっと早く読んでおけばよかった! お雑煮は暑くても「ふうっ」と吹いてはいけないんだ、福徳が逃げて行くんだそうだ。ほかに、ご祝儀袋に入れる新札は角をちょっぴり折って5角形(奇数は陽数)にするのが粋な礼儀だとか。ほとんど毎ページ、メモして誰かに話したくなる蘊蓄がいっぱい。是非一読を。2011/02/24