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集英社新書
必生 闘う仏教

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  • サイズ 新書判/ページ数 197p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087205619
  • NDC分類 188.52
  • Cコード C0215

内容説明

「煩悩なくして生命なし。必ず生きる…必生。この大欲こそが、大楽金剛です。すなわち、煩悩は生きる力なのです」。自殺未遂を繰り返し、尽きせぬ生来の苦悩の末に出家。流浪の果てにインドへ辿り着いた佐々井秀嶺。かの地で文化復興運動にめぐり会い、四〇年以上にわたりこの運動に身を捧げてきた。現在ではインド仏教徒の指導者として活躍する破格の僧侶が、波瀾万丈の半生と菩薩道、そして“苦悩を超えていく生き方”を語り下ろす。

目次

第1章 仏教との出会い(発心;世紀の苦悩児 ほか)
第2章 大楽金剛(ナグプール;アンベードカル ほか)
第3章 闘う仏教(闘う仏教とは;インド国籍を取る ほか)
第4章 必生(四十四年ぶりの帰国;高尾の緑 ほか)

著者等紹介

佐々井秀嶺[ササイシュウレイ]
1935年、岡山県生まれ。インド仏教指導者。1988年インド国籍取得。ラジウ・ガンディー(当時の首相)からインド名、アーリア・ナーガールジュナを授与される。1960年、高尾山薬王院(真言宗智山派)にて得度。タイ留学を経て1967年渡印。1968年、カースト差別に苦しむ人々を救う人権運動でもある、インド仏教復興運動に身を投じる。2003年にはインド政府少数者委員会仏教徒代表にも任命された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

15
インドに渡り仏教の指導者として生きている著者。ヒンドゥー教とカースト制度が支配するかの地で不可触賎民の方々を救うために尽力されてきた半生はまさにタイトルが示すとおり『闘う仏教』に相応しい。宗教家というものは大なり小なりファナティックな部分が必ずあるのだろうけれど大切なのはそれがどのように作用するのか。どのように世界と向き合って生きていくのか。今この瞬間に全てを。過去も未来もない。何かに縛られも煩わされもしない。ただただ今この瞬間に全てを。生きている限り忘れずにいたい。2020/05/20

ざっく

7
「にぶい人間だけが幸せなんだ」という岡本太郎の言葉を思い出す。非暴力主義を貫くために、相手の暴力を容認することはできない。だから、非暴力主義でありながら、暴力を行使し、闘わなければいけないこともある。「修行道場は、寺ではなく、社会そのものだった」とは、「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ」という言葉を想起させる。理想を現実にするために闘う宗教も、行きすぎると原理主義からの戦争になってしまうのだろうけども。2023/04/29

狐林

6
一気読みした。佐々井さんが宗派の壁を次々と越えてゆかれる様子は読んでいて気持ちがいい。真言宗、上座部仏教、日蓮宗、そしてアンベードカルが「再発見」したインド仏教。こうしてみると、現実的な手法(仏教では「方便」と呼ぶらしい)は宗派によって区々だが、仏教という大きな括りの中で通底するものが感じられる。「必生」、佐々井さんの活力が伝わってくる言葉だ。何が何でも生きてやる、という力強さを見習いたい。2012/05/16

Hiroki Nishizumi

4
素晴らしい人がいる。「大欲得清浄」「入我我入」、知識はからだで理解して、しかもその上実際の行動につながってこそ、真の価値がある。そして大乗の実践とは「十界」を巡ること。すなわち地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天・声聞・縁覚・菩薩・仏。佐々井秀嶺の人生はまさにこの十界だ。また山本秀順、親鸞、八木天摂上人、ビーム・ラーオ・ラームジー・アンベードカルなどの偉人についても言及してあったので是非これらの人びとについても関連書籍を紐解きたい。2015/06/21

さしとおう

3
現代インドに仏教あり。カ-ストと闘っていて、その先頭には日本人僧侶がいる。初めて知る事ばかりだ。2010/10/23

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