内容説明
茶道裏千家の大宗匠が、日本人の生き方に意見する。「ずっと心にためてきた独り言今こそ話しましょう」。
目次
第1章 過ちから学んだこと
第2章 海の向こうで考えたこと
第3章 魂を磨くために
第4章 日本の教育を憂える
第5章 家が教えてくれたこと
第6章 この国の未来のために
著者等紹介
千玄室[センゲンシツ]
1923年京都府生まれ。同志社大学卒業。茶道裏千家第十五代家元。64年裏千家今日庵主として宗室を襲名。2002年嫡男千宗之に家元を譲座し、玄室に改名。日本・国連親善大使。財団法人日本国際連合協会会長。文化勲章、仏レジオン・ドヌール勲章オフィシエ、UAE独立勲章第一級受章。哲学博士。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キキハル
12
音訳本。とても真っ当な内容だった。茶道の家元として、諸外国へ出向き茶の道を説く。茶室の中では誰もが等しく平等なのだと。茶を通じて平和の実現を願っておられるのだ。初代の千利休から数えて、当代は第16代千宋室(作者の長男)そんなに続いていたんですね、裏千家。私は表千家の先生に習ったが、そんな歴史はまったく知らなかった。型だけを習って血が、魂が入っていなかったのだろう。ともあれこの本は、わかりやすい優しい言葉でお茶のみならず、人の生き方まで示してくれる良書だと思う。2010/07/11
ともとも
7
哲学チック、仏教の「禅」の思想を 感じながらも、また、茶道の歴史と奥深さ、 人を愛し、自分に厳しくする姿も見えてきました。 でも、そこから人として生きていくためには大切なことを 言葉や、文章に込めながらも、人として生きていくことの 素晴らしさを感じさせる。また、ひとたび人として、 生きていくことの大切さを説いている。 まるで、それは良い人ぶってしまうのではなくて、 真の良い人?素晴らしい人を目指しなさい。 それには、自然体に生きていくこと、当たり前のこと、 その簡単そうで、意外と難しさ2012/08/02
とも
6
裏千家十五代家元による、回顧録と現代人へのメッセージ。戦争中に若者だった著者の飾らない言葉のおかげで、当時の彼の心境がリアルに想像できた。新鮮な体験。長い人生を歩んだ中で、結果として「いい人」になっていたのならいいけれど、「いい人になろう」と思った時点で欲が入ってしまう。その時々の素の自分としっかり向き合い、目の前の一人ひとりと誠実に向き合う、それしか人間にはできないということかな。それが時にむずかしいのだけれど。このところ、読む本読む本に「素の自分」とか「ありのままの自分」という言葉がでてくる。2016/03/23
Koki Miyachi
6
茶道裏千家第十五代家元。裏千家の跡継ぎとして定められた人生を生きた筆者が人生でつかんだ極意。素直に自分を出して生きるということ。いろいろなエピソードとそこから得た人生訓が、気取らない言葉で語られる。とりたててメッセージ性がある訳でもなく、押し付けがましいアドバイスがある訳でもなく、自然で肩の力が抜けた姿勢は茶道の教えに通じる。『みんないっしょだよ』"We are all together"世界中どこを訪ねても、老若男女ともに笑顔で語り合おうと提唱する筆者のシンプルな姿勢そのもの。少し元気になれる本。2014/07/31
Wisteria
4
深いお話なんでしょうが、私にはただのいい話にしか聞こえず、特に心に響く事もなく。2019/03/15