集英社新書
化粧する脳

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087204865
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0240

内容説明

人は無意識のうちに、他者の「顔」からその心を読みとっている。人間は中身であると言いながら、見た目の美しさに魅了されたり、内面を外見から類推したりしている。顔は心の窓であり、見た目は対人コミュニケーションの鍵なのだ。化粧を通じた画期的な研究によって、自分の見た目を装うことの重要性が明らかになってきた。鏡に映る自分を見つめ、形作っていくことは、他者の視点から自己を見つめることにつながる。そして、そのことが社会的知性を育む。人は誰もが外見を装い、内面にも化粧をして生きている。化粧を通じた新しい知見から、人間の本質が見えてくる。

目次

第1章 顔は口ほどにものを言う(顔とコミュニケーション)
第2章 化粧は鏡であり、窓である(化粧の脳科学)
第3章 美女と野獣(美の進化論)
第4章 饒舌と沈黙のあわい(秘密を抱く女は美しい)
第5章 そして世界は、明るくなった(メタ認知と自己批評)
鏡や化粧を通した自己認知(恩蔵絢子)
特別座談会 「化粧を生きる」という視線

著者等紹介

茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は脳科学、認知科学。『脳と仮想』で、第四回小林秀雄賞を受賞

恩蔵絢子[オンゾウアヤコ]
1979年生まれ。脳科学者。上智大学物理学科卒業後、東京工業大学大学院にて脳科学を学び博士号修得。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAKAPO

29
≪他者は自分の思いどおりには決してならず、自分とは決定的にことなっている。しかし、自分とは異なるからこそ、さまざまな体験をもたらしてくれる存在である。化粧はそのような他者との出会いを促し、他者とのかかわり合いの中で新たな自分を発見させ、自分を変化させていく。≫化粧は、自分を際立たせるというよりも、むしろ自分を相手と同質化させることによって相手を受け容れ、コミュニケーションを円滑にすることを目的として行われる行為なのかもしれない。'09年発行と新しい本ではないが、化粧という切り口は新鮮な断面を見せてくれる。2015/08/21

蓮華

22
化粧をすることで脳の認識を変えることができる。 人というか女性は自分も他人も見た目で判断しているのかも。2018/02/07

ちくわん

20
2009年3月の本。化粧、顔、鏡にまつわる男女の違い。本文には集中できなかったが、巻末に「脳科学者の母が、認知症になる」の恩蔵絢子さんの論文・写真があった。2021/06/08

anco

11
鏡を通して自分の顔を認識できるようになり、外見についてもピアプレッシャーを感じるようになった。人間は他人とのコミュニケーション、特に目が合ったときにドーパミンが放出され、最も喜びを感じる。鏡に映った自分と目が合うことでもドーパミンは放出された。化粧は気持ちを活性化させ、対人関係を活性化させる効果がある。脳は不確実性を好む。相手の本意が分からないからこそ脳は刺激を受ける。鏡はメタ認知に通じる。自分の姿を客観的に認識することで、自分の姿を再発見でき、創造性へとつながる。2015/06/20

星野

9
確かに、と思う部分がいくつかあった。女性なら頷く場面が多そう。内面の、しいては言葉の化粧にも気をつけたいものです。2013/04/23

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