内容説明
事件や裁判に対する国民の関心が、高まっている。裁判員制度の導入など、さまざまな司法改革も進められている。また、死刑制度に関する議論も盛んである。そもそも、日本で犯罪とされる行為や、与えられる罰には、どのような傾向があるのだろう?日本の刑罰は、重いのだろうか。それとも、軽いのだろうか。日本の刑罰制度の特徴や、その背景について、米国や中国の事情と比較しながら、具体例を挙げつつ分かりやすく解説していく。
目次
第1節 犯罪とは何か
第2節 刑罰とは何か
第3節 比較の視点がなぜ必要なのか
第4節 日本の刑罰は重いのか
第5節 日本の刑罰は軽いのか
第6節 日本の犯罪と刑罰の特徴はどこにあるのか
第7節 犯罪と刑罰の国による違いはどこから来たのか
おわりに 日本の刑罰をどう見るべきか
著者等紹介
王雲海[オウウンカイ]
一橋大学大学院法学研究科教授。1960年中国河北省生まれ。82年中国西南政法大学卒業。84年に来日し一橋大学で博士号(法学)を取得。1999~2000年、米国ハーバード大学客員研究員。『「権力社会」中国と「文化社会」日本』(集英社新書)で、IPEX2006年度最優秀著作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おっしょう
4
★★★☆☆(3.5) 日本、米国、中国の三国を比較して論理を展開。それぞれの国の思想が刑罰に大きな影響を与え、それが国ごとの刑罰の違いにつながっている。どれが良い悪いといこうとではなく、その国に適した法・刑罰をどう形成していくかが重要だと思う。刑罰も重ければいいというわけじゃない。2009/06/17
Ryueno
3
日米中3か国の刑罰の考え方・刑法の仕組みなどについてを比較した書籍。それぞれの国の差異がくっきりわかれるところが興味深い。2011/06/23
天才ラングレー
2
日本に加えて中国とアメリカについても調べられていたのでおもしろかった。刑罰の違いは文化やいままで積み重ねた歴史からもきているのだなと改めて実感。刑罰の軽い重いや是非を日本を基準にして考えるのではなく、その国でその刑罰がどのような意味をもつのかを考えなければいけないのだと思う。
笹澤
1
比較刑事法の良書。ド素人から読み進められるおすすめの一冊。
アルゴン
1
★★★★★中国人が日本で軽犯罪を犯しても平然としている理由がよく分かりました。日・米・中の社会の違い・刑罰の違いがよく分かります。2011/11/12