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集英社新書
巷談 中国近代英傑列伝

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  • サイズ 新書判/ページ数 202p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087203684
  • NDC分類 282.2
  • Cコード C0223

内容説明

中国近代の幕開けは阿片戦争に始まる。アヘン取締りの欽差大臣、林則徐は戦争の責任をとって新疆に左遷されるが、彼がそこで構想したのは、塞防論、すなわちロシアとの国境線を守るべきというものであった。それに対する海防論の首領は李鴻章である。以来、中国近代の歴史はこのふたつの政治思想の中で揺れる。また、洋務運動から戊戌変法を経て辛亥革命へと続く苦難の歴史は、あまたの英傑の物語を生むことになる。本書では政治思想家にとどまらず、文人墨客をふくめた十五人の男たちに鮮やかな光をあてる。

目次

第1章 近代の幕開け(阿片戦争の英雄 林則徐;諸葛孔明たらんとした左宗棠 ほか)
第2章 洋務運動から戊戌変法へ(変法百日天下の康有為;義挙の人 劉鉄雲 ほか)
第3章 革命と反革命と(「革命未だ成功せず」国父孫文;中国人の「たましい」を革新する魯迅 ほか)
第4章 二人の画人(文人画の粋 斉白石;中国最高の画家 帳大千)
終章にかえて(現代につづく心の痛み 台湾二・二八事件)

著者等紹介

陳舜臣[チンシュンシン]
1924年兵庫県生まれ。大阪外国語大学印度語科卒業。61年、『枯草の根』で江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。69年、『青玉獅子香炉』で直木賞受賞。以来、中国歴史小説の第一人者として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

韓信

2
林則徐から袁世凱ら政治上の重要人物、梁啓超や王国維など思想・学術方面での著名人、左宗棠・黄興ら著者のお気に入りまで、中国近代の「英傑」たちを幅広くとりあげた列伝風読み物。個人的には、太平天国の洪仁玕とのパイプを利用して、その支配下で茶の集荷をやりとげた中国史上初の米国留学生・容閎の波乱万丈の生涯が特に面白かった。康有為についても、自分がイメージしていたような硬骨の変法論者というイメージとは異なる、一筋縄ではいかない人物だったようで、より詳しくその生涯と評価を知りたくなった。2021/03/21

gauche

0
「巷談」と付けているが、清史列伝に含めてもおかしくない出来。政治家や軍人から、画家まで15人の生き様を描いていく。張大千の贋作について筆者の考えが述べられているが、さもありなんと思わせ、彼の画聖の心持ちに思いを馳せることができる。2014/03/16

ManCheeFMW

0
古書再読。日本ではみんな中国史の関心が三国志に偏りすぎているが本当に面白いのはアヘン戦争以降の近代史、という陳氏のお説はわたしの持論でもある。East Meets Westの大きなうねりのある(因みに日本文学もそうで、個人的には古代中世よりも近現代が同じ理由で好きだ)、みんなのコンセプトが180度切り替わる非常に重要な時代に生きた英傑たちの逸話はどれを取っても興味深い。 また、全編陳氏の講談スタイルになっているのが、臨場感があって、講義を聞いているみたいで好きだ。2018/05/01

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