• ポイントキャンペーン

集英社新書
帝国アメリカと日本―武力依存の構造

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 173p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202526
  • NDC分類 319.53
  • Cコード C0231

内容説明

第二次大戦後から東西冷戦終了後も変わらず、アメリカ合衆国は東アジアを含む世界各地に軍を駐留させ、その基地や軍事施設は現在でも世界に八〇〇以上存在している。そして、朝鮮、ヴェトナム、湾岸、イラク等々、数々の戦争・軍事行動を起こしてきた。しかし、その強大な軍事力は、世界平和に寄与してきたといえるだろうか。帝国主義的な政策にもとづいたアメリカの武力行使は、テロ組織を根絶するどころか、むしろより深刻なテロの危険性を高めているのでは?日本は、アメリカの外交政策に追従していてよいのだろうか。東アジア通の国際政治学者として名高いチャルマーズ・ジョンソンが、武力依存のアメリカと米国依存の日本を鋭く分析し、世界平和や東アジアの安定の道を探る。

目次

アメリカ軍国主義とブローバック―ペンタゴンに外交政策を委ねる代償
三つの冷戦
武力は過ちを犯す―東アジアにおけるアメリカ軍の影響

著者等紹介

ジョンソン,チャルマーズ[ジョンソン,チャルマーズ][Johnson,Chalmers]
1931年、米アリゾナ州フェニックス生まれ。国際政治学者。カリフォルニア大学サンディエゴ校名誉教授。米国日本政策研究所所長。1962年からカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとり、教授、政治学部長、同大学サンディエゴ校大学院教授を歴任。日本語や韓国語に堪能な、東アジアの専門家としても知られる

屋代通子[ヤシロミチコ]
1962年兵庫県生まれ、横浜育ち。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

62
子ブッシュ時代に書かれた3本の論文の訳出。著者は日本の事情に通じたアメリカの体制批判的国際政治学者。ネオコン時代の政治的問題点を論じた第1章。2章ではアメリカの「帝国主義」的政策として、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、東アジアの「冷戦」を論じるが、特にラテンアメリカについてはかなり具体的で、『ショック・ドクトリン』より政治的視点が強い印象。最後の章での東アジア情勢は、今読むと楽観的な面もあるが、沖縄問題についてはアメリカ人でこれだけ問題の本質をきちんと捉えている論者は珍しい。日本の著者との視点の違いが有用。2022/07/05

James Hayashi

29
ブローバックとはCIA用語で、秘密作戦によって生じる副作用の事。ソ連のアフガン侵攻の直前に米軍がムジャヒディンに武器供給し、ビンラディンに繋がっている話し。01年にハワイ沖で事故に遭ったえひめ丸であるが、衝突した原子力潜水艦グリーンビルは、通常の3分の1の乗組員を欠き、さらに多くの民間人を招待したサービス航海であることを暴露(日本語での詳細はこの本だけと思われる)。艦長の責任もうやむやにされている。アメリカはコンドル作戦なるものを支持し南米の共産化を防ぐため、軍事政権を陰ながらサポートしていた。→2020/04/17

James Hayashi

28
UC サンディエゴ名誉教授、国際政治学者、04年頃出版。3つの論文から成り立つが、アメリカ帝国主義の一部を垣間見れる。読みどころは沖縄の政治。この政治には米軍と日本政府が絡む。大田昌秀元知事が普天間基地の移設を県外に求めていたが、対抗馬として自民党から刺殺者として送り出された稲嶺氏(影には米国が海兵隊の遺存を強く要望した為)。この歴史から、こじれた普天間移設の経過が見て取れた。稲嶺=小渕→沖縄サミットin名護市への投資(810億円)→名護市辺野古移設。2019/10/30

しもふさ

4
アメリカの研究者から見た日本、沖縄に対する考え方は新鮮でした。本土の沖縄を下に見る視線が外国の研究者から指摘されるのは何ともいえないものがあります。そして、この本が書かれたころのアメリカは圧倒的だった、そんな時代の空気も感じます。2022/09/24

ShiTan

1
アメリカの「帝国主義」の内容がわかる本。世界各国に軍事的拠点を置き紛争を解決するというよりはひっかきまわしてきたアメリカ。アメリカの政治学者が冷静に自国の政策を批判。/経済的援助を受ける代わりにアメリカに軍隊の駐留を認める、という関係。その負担のほとんどを沖縄に押しつけ、アメリカからの利益は本土の人間が与る。要は沖縄の人たちを犠牲にして本土の人間の生活は潤っていたわけだ。また、アメリカの帝国主義の道具でしかない日本。9条を改正すればそんなくだらないもののために日本人の尊い命が失われてしまうのではないか。2012/06/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/40350
  • ご注意事項