内容説明
スペシャルオリンピックスとは、知的発達障害者による世界規模のスポーツの祭典。発祥の地アメリカではパラリンピックをしのぐ九五％の認知度がある。世界大会には各国や地域から数千人規模のアスリートとボランティアたちや、著名人らが集い、共に生きる喜びを謳歌する。二〇〇五年二月、この第八回冬季世界大会が、長野で開催される。ケネディ家の秘密に端を発し、様々な人間ドラマを生んできたスペシャルオリンピックスの真実の姿とその意義、それを支える人々たちの奮闘振りを紹介する。
目次
第１章 やさしかったダブリン
第２章 アーリントン墓地を訪ねて
第３章 ケネディ家の光と影
第４章 スペシャルオリンピックス誕生
第５章 日本での足跡
第６章 スペシャルオリンピックスに光を見出した人々
第７章 世界大会がやってくる
著者等紹介
遠藤雅子［エンドウマサコ］
１９３７年兵庫県生まれ。ノンフィクション作家。一〇年に及ぶオーストラリア滞在の経験を生かし、日豪関係を中心にしたテーマを幅広く取材追求し続けている。２００３年７月豪政府よりオーストラリア名著勲章を授与された。２００５年スペシャルオリンピックス冬季世界大会実行委員会では、広報活動その他幅広くかかわっている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
22
恥ずかしながらこれまでスペシャルオリンピックスについてほとんど知識がなく、パラリンピックに目を向けていた。本書には大会の理念の素晴らしさだけではなく、この大会によって人生を変えられた方のお話も載っており、目を開かされる思いであった。日本人はこういった障害に対して閉じてしまう傾向があるかと思うけれど、本当の意味で差別や偏見がなくなる日が来てほしいと心から願う。2014/11/04
Kentaro
2
SOは、各競技のルールについては、競技会に参加するアスリートを能力別に分け、全員が決勝に挑み、三位までは金銀銅のメダル、それ以外には、リボン賞が授与される。 SOでは、大会や記念の式典などの場で、アスリートが唱和する言葉があります。 「Let me win. But if I cannot win, let me be brave in the attempt.」(私を勝たせてください。たとえ勝てなくても、戦う勇気を与えてください) 本当のオリンピックの精神はSOにあるのかもしれません。2018/10/23
Yasushi I
2
J.Fケネディの実妹が自宅の庭から始めた活躍が今では世界に広がっている。でもまだまだ認知度は低い。何年も前に読んだ本だったが、縁あって今春からお世話になった会社の会長が役職も務めておられ、お話を聞かせてくださった。始まりは細川首相の奥様である細川佳代子さんの活動への姿勢に感銘され、何としても支えたいと支援が始まったとのこと。今年は名古屋で日本大会が開催される。何かお役にたてればと願う。2018/04/09
hikarunoir
0
名家に知的障害児が生まれなければ催しにも発展しなかった筈で、また当初より知的障害者の経済的活用の側面がある点も見逃せない。2015/02/24
Yasushi I
0
全く知らなかったスペシャルオリンピックスのこと。ケネディ大統領と妹ユーニスの情熱、ボランティアの献身、日本で組織を立ち上げた人達の奮闘。 全ての人間がいて、そこで自分が生かされていることに気づかず、狭い周りの世界の中だけで一生懸命になり満足していたんだと気づかせてくれた本。自分にもできるボランティア、まず一歩踏み出してみようと思う。2014/03/07
