内容説明
徳山昌守(洪昌守)は、One Koreaと縫い取りをしたトランクスを着け、朝鮮半島をあしらった「統一旗」を持ってリングにあがる。在日コリアンである彼の悲願の「祖国統一」を、ボクサーとして拳で表現しているのだ。彼はどのようにして、WBC世界スーパーフライ級チャンピオンの座についたのか。彼の先輩の朝鮮人ボクサーたちの苦闘の歴史を織りまぜながら、同じ立場の在日コリアンの著者が思いを込めて描く、壮絶なノンフィクション。
目次
第1章 遙かなるリング
第2章 リングに生きた韓国・朝鮮人の肖像
第3章 プロボクサーへの旅立ち
第4章 挑戦と挫折
第5章 再起を懸けて
第6章 世界チャンピオンの座
第7章 防衛への挑戦
第8章 新世紀のリターンマッチ
著者等紹介
高賛侑[コウチャニュウ]
1947年生まれ。朝鮮大学校政治経済学部卒業。朝鮮関係月刊誌「ミレ(未来)」編集長を経て、現在ノンフィクション作家。甲南大学非常勤講師。国際高麗学会会員。専門は在日を含む在外朝鮮民族問題。部落解放文学賞受賞
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感想・レビュー
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SU
1
韓国での防衛戦での敵陣が用意した食事、車など使わない徹底振り。そして、予備計量時の敵陣が施した細工など凄い緊迫感が伝わりました。2014/10/08
Naota_t
0
少し理解が届かないところもあったけれど、単純に彼のガッツはすごいです。もっと若い頃に読んでいたら、彼を見る目も変わったかもね。 ───会場に『われらの願い』の曲が流れてきた。観客も総立ちで合唱した。守正はリングを降りるとき、観客にもう一度叫んだ。「朝鮮は一つだ!」の声が会場に響き渡った。昌守の体が朝青員に胴上げされて宙に舞った。肩車に載った昌守は、群がるファンの握手攻めにあいながら会場を出た。凱旋将軍のように。(p.161) 2015/03/09