内容説明
二〇〇〇年三月一八日、台湾の新総統に民進党の陳水扁氏が選ばれた。半世紀以上も続いた国民党政権が崩壊した瞬間だった。「静かなる革命」とも呼ばれる激動の時代は、一九八七年七月の戒厳令解除、そして翌八八年一月の李登輝総統の登場から始まっていた。日本から中国国民党へと、一世紀にわたる外来政権時代を克服して、自立を始めた台湾をいままた海峡の危機が襲っている。台湾在住十四年にわたる日本人ジャーナリストが見つめつづけた台湾に生きる人々の真情とその現代史。
目次
第1章 戒厳令下の楽園(嵐の台湾第一夜;台北の生活 ほか)
第2章 悲情城市の衝撃(乱消費時代の到来;社会不安の高まり ほか)
第3章 農学博士李登輝の戦い(中華民国総統;中国国民党主席 ほか)
第4章 落花生の精神(複雑な民族構成;李総統と陳市長と ほか)
第5章 革命の夜―明日も陽が昇る(M七・三の衝撃;被災地での中秋 ほか)