出版社内容情報
通信隊のある氷取のまちで出会った祐と峰。そこに中山がやってきて。互いに惹かれ、認めあい三人はここで成長してゆく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カレーリーフ
3
この作品、知らなかった。ちょうど20年前に連載されていたもの。携帯のない時代の、10代はじめの少年少女たちが、互いの愛をじょじょに知り、大事に大事に伝え合う、その大切さと難しさ。こんな子供たちが、でも、つきあい始める事だけが互いの大切さを尊重するわけじゃないと知っている。「愛」に、親や子供を取り巻く大人の存在が重要だと言うこともしっかり描かれている。すごい作家だなあ、紡木たく。文庫化、ありがとう、素敵な作品読めて、本当に嬉しい。しっかし、この子らが現実に「当時」いたとして、まだ30代後半かあ。リアルだあ。2012/12/10
ひろみ
2
紡木たくの、描き切らなさ。ここにすべてがあると思う。言ってみればすごく狭い世界しか見ていないし、描いていないのだけど、これでいいと思える。こういう形で、愛していると語らせることの出来る強さに、紡木たくの愛を感じる。2014/02/27
KounoNao
2
書店さんで偶然みつけて…紡木たく、は、文庫で出たものを少しずつ揃えていたけれど、これは知らなかった。ことばに表せないでもがいて、苦しくて、悲しくて、でも笑ったりして、楽しいこともないわけじゃなくて…そういう「過渡期」のこころのなかがほんとうに独特の雰囲気で、お話にこまやかにこめられている。「愛してるから」には、どきどきした。あのころ私も持っていたあの気持ちを、どうして知ってるんだろう。どうして、忘れないでいられるんだろう。2013/09/01
花鳥
2
苦しい。全身の力を使っても、涙が止まらなかった。2013/06/30
サト
1
家族や恋人じゃなくても愛してるひと。かなしみに包まれるまちで出会えたことの奇跡。互いに救われたと感じ、いつまでも愛していける相手。分かりやすい描写ではないけど、やはり圧倒的な空気感が苦しくて切なくてとても優しい。2018/01/08