内容説明
アイリはノーマ・カーの森に住む少女。昔から続く家の生業である薬師ローグの地位を、亡き兄にかわって引き継ぐために、男と偽って暮らしている。ある夜、突然訪れた騎士ク・オルディスに、彼の領地であるモースの館にむりやり連れてこられた。従者キサルの傷を治せというのだ。その傷が治り次第アイリは森へ帰るつもりでいたが許されず、王都で開催される武芸武術大会に同行させられた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
でんか
10
蔵書整理で再読中。男装ものです。ケルトとかあのあたりのファンタジー。前・後編なので読みごたえはあります。ヒロイン・アイリは男装の薬師。ちょいと引っ込み思案なほう。そして、ク・オルティス最初読んだときは分からなかったけれど、けっこう脳筋かつ思い込み激しい男。う~ん、ちょっと苦手かもしれん。そのほかの設定は好きなんですけどね……。アイリが魔法の力で姿を変えるところとか表現がうつくしくて好きです。2017/11/07
静間
4
少女小説。夭折した兄の人生をその身に背負うアイリ。彼女は一人森の奥で薬師として生きていた。ある日突然ク・オルティスの求めに応じて森を出るまでは。樹川さんには珍しく引っ込み思案で悩み事の尽きない主人公。そして後書きでのーみそ筋肉と言われたク・オルティス。いつもながらこの取り合わせで少女小説を書けちゃう樹川さんは凄い。アイリの女性になりたいという切実な願いには何度再読しようともきゅんきゅんさせられる。個人的にこういった異なるバックグラウンドを持った二人のお話が好みで、このお話は背景もしっかりしてるから好き。2012/12/30
deltazulu
4
兄の影を背負った薬師アイリが、魔術士に願ったのは、女になる方法だった……というお話。これはいい乙女心。強引だけど、真面目で正義感に溢れ、何より優しい騎士の傍にいるうちに……というのがいいです。嫌みすら真っ直ぐに受け止めてしまう素直な心が、周囲の人たちの心を和らげていく展開と相まって、二人の仲を願わずにいられない。魔術士の条件は、何とも切ないことになりそうだけど、乗り越えて欲しいな。後編が楽しみです。2010/05/14
ときわ
3
再読2023/02/20
Natsumi
3
図書館