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内容説明
米に生きる人々。収穫後のイフガオの水田で、刈り残された穂を1つずつ、農婦がたんねんに摘み集める。水田に播かれたわずか1粒の稲籾は2000倍の恵みをもたらす。人々は、水草の中から稲をひろいあげ、環境の制約のなかに精一杯の智恵をかたむけ、労力を集中し、栽培稲をつくりあげた。稲作は人々の慈愛の中に育まれ、数十億の人々に恵みをもたらす。湯気を香らせるおこわから、イドゥリ(インドの米粉を蒸したパン)、フォー(ベトナムの米うどん)、ソムパー(ラオスやタイのなれずし)。米は環境ごとにその姿をかえ、人々の味覚にこたえる。芳醇で流麗な米の賛歌。
目次
フィリピン山地 森の恵みが棚田をうるおす―イフガオ山地の棚田/棚田ができる
ベトナム山地 照葉樹林に生きる―照葉樹林/ドンソンの銅鼓/モチと発酵
ジャワ盆地 火の島の田植え―ジャワ
インド平原 強者は夏草に挑む―平原の中の稲つくり/溜池が平原をうるおす
スリランカ 森と平原のめぐりあう時―湿ったスリランカ/平原のスリランカ
ベトナム紅河デルタ 水面にうつる常民の祭り―紅河デルタ文化の誕生
カンボジア・ラオス平原 大地はるけく、水田の広がる―東南アジアの平原
中国の大地 耕して庭土のように―中国の食
朝鮮半島 ブナの林に稲が映える―韓国の稲作